专利摘要:
(a) Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはその免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片が含まれる融合タンパク質と、(b)モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインもしくはそれらの混合物を含むかまたはそれらからなる群より選択される安定化剤とを含むHIVワクチンのための成分が提供される。本発明はまた、それを含むHIVワクチンおよびHIVの治療/予防での使用にも及ぶ。なし
公开号:JP2011506565A
申请号:JP2010538736
申请日:2008-12-18
公开日:2011-03-03
发明作者:ポンサール,ソフィー,ヴァレリー,アンヌ;ルモアーヌ,ドミニク,イングリッド
申请人:グラクソスミスクライン バイオロジカルズ ソシエテ アノニム;
IPC主号:A61K39-21
专利说明:

[0001] 本発明は、HIV融合タンパク質、特に本明細書でF4と呼ぶHIV融合タンパク質、および安定化剤を含む新規な組成物、それらの調製法ならびにHIV-1感染および/または後天性免疫不全症候群AIDSの治療および/または予防における使用に関する。]
[0002] HIV-1は、世界の主な健康問題の1つとして考えられるAIDSの主な原因である。HIV感染の予防および/または治療のためのワクチンが必要である。]
背景技術

[0003] HIV-1はレトロウイルス科のRNAウイルスである。HIVゲノムは以下の3つのクラス:主要な構造タンパク質Gag、PolおよびEnv、調節タンパク質TatおよびRev、ならびにアクセサリータンパク質Vpu、Vpr、VifおよびNefに分けられる少なくとも9種のタンパク質をコードする。HIVゲノムは、全てのレトロウイルスの5'LTR-gag-pol-env-LTR3'構成を示す。]
[0004] HIVエンベロープ糖タンパク質gp120は、宿主細胞への付着に使用されるウイルスタンパク質である。この付着は、CD4および2つのケモカイン受容体CCR-5またはCXCR-4のうちの1つとして知られる、ヘルパーT細胞およびマクロファージの2つの表面分子との結合によって仲介される。gp120タンパク質は最初に大きな前駆体分子(gp160)として発現され、次いで翻訳後に切断されてgp120およびgp41を生成する。gp120タンパク質はgp41分子との連結によってビリオンの表面に保持され、それはウイルス膜に挿入される。]
[0005] gp120タンパク質は中和抗体の主な標的であるが、残念ながらタンパク質の最も免疫原性が高い領域(V3ループ)はタンパク質の最も変わりやすい部分でもある。したがって、中和抗体を誘導するためのワクチン抗原としてのgp120(またはその前駆体gp160)の使用は、広く防御効果があるワクチンに関して限られた有用性しかないと考えられている。gp120タンパク質は、細胞傷害性Tリンパ球(CTL)によって認識されるエピトープも含有する。これらのエフェクター細胞はウイルス感染細胞を除去することができ、したがって第二の主な抗ウイルス免疫機構を構成する。中和抗体の標的領域と対照的に、幾つかのCTLエピトープは異なるHIV株間で比較的保存されているようである。このため、gp120およびgp160は、細胞介在性免疫応答(特にCTL)の誘導を目的とする、例えば抗原/成分のカクテルを含有するワクチン中の有用な抗原成分であり得る。]
[0006] HIV-1の非エンベロープタンパク質には、例えばGagおよびpol遺伝子の産物などの内部構造タンパク質、およびRev、Nef、VifおよびTatなどの他の非構造タンパク質がある(Green et al., New England J. Med, 324, 5, 308 et seq(1991)およびBryant et al. (Ed. Pizzo), Pediatr. Infect. Dis. J., 11, 5, 390 et seq(1992))。]
[0007] HIVNefは感染中の初期および構造タンパク質の不在下で発現される。]
[0008] Nef遺伝子は、幾つかの活性を有することが示されている初期アクセサリーHIVタンパク質をコードする。例えば、Nefタンパク質は、細胞表面からのCD4、HIV受容体、およびMHCクラスI分子のダウンレギュレーションを引き起こすことが知られているが、これらの機能の生物学的重要性は議論されている。さらにNefはT細胞のシグナル経路と相互作用し、かつ活性状態を誘導し、次いでそれはより効率良い遺伝子発現を促進する可能性がある。幾つかのHIV分離株はこの領域中に突然変異を有し、それらの機能性タンパク質の非コード状態を引き起こし、in vivoでのそれらの複製および発病に重度に障害を与える。]
[0009] Gag遺伝子は前駆体ポリタンパク質として翻訳され、それはプロテアーゼにより切断されて、マトリックスタンパク質(p17)、カプシド(p24)、ヌクレオカプシド(p9)、p6ならびに2つのスペースペプチド、p2およびp1を含む産物が生成される。]
[0010] Gag遺伝子はp55とも呼ばれる55キロダルトン(kD)のGag前駆体タンパク質をもたらし、これは非スプライシングウイルスmRNAから発現される。翻訳中、p55のN末端はミリストイル化され、細胞膜の細胞質側とのその結合を誘発する。膜結合Gagポリタンパク質は、感染細胞の表面からのウイルス粒子の発芽を誘発する他のウイルス性および細胞性タンパク質と共に2コピーのウイルスゲノムRNAを動員する。発芽後、p55は、ウイルス成熟の過程中に、ウイルスによってコードされるプロテアーゼ(pol遺伝子の産物)によって、MA(マトリックス[p17])、CA(カプシド[p24])、NC(ヌクレオカプシド[p9])、およびp6と命名された4つの小さなタンパク質に切断される。]
[0011] 3つの主なGagタンパク質以外に、全てのGag前駆体は、切断され様々な大きさのペプチドとしてビリオン中に残る幾つか他の領域を含有する。これらのタンパク質は異なる役割を有し、例えば、p2タンパク質は、プロテアーゼの活性の調節における役割を有することが提唱されており、タンパク質分解処理の正確なタイミングに貢献する。]
[0012] p17(MA)ポリペプチドは、p55のN末端、ミリストイル化末端に由来する。大部分のMA分子はビリオン脂質二重層の内側表面に付着した状態で存在し、粒子を安定状態にする。MAのサブセットはビリオンの深層内に動員され、そこでそれは核にウイルスDNAを運ぶ複合体の一部となる。MAにおける核親和性シグナルは細胞核進入機構によって認識されるので、これらのMA分子はウイルスゲノムの核輸送を容易にする。この現象は、レトロウイルスの稀な性質である非分裂細胞へのHIV感染を可能にする。]
[0013] p24(CA)タンパク質はウイルス粒子の円錐形コアを形成する。シクロフィリンAは、p55のp24領域と相互作用し、HIV粒子中へのその取り込みをもたらすことが実証されている。シクロフィリンAによるこの相互作用の混乱はウイルス複製を阻害するので、GagとシクロフィリンAの間の相互作用は必要不可欠である。]
[0014] GagのNC領域は、いわゆるHIVのパッケージングシグナルの特異的な認識を担う。パッケージングシグナルはウイルスRNAの5'末端の近くに位置する4つのステムループ構造からなり、HIV-1ビリオンへの異種RNAの取り込みを仲介するのに十分である。NCは2つのジンクフィンガーモチーフによって仲介される相互作用を介してパッケージングシグナルと結合する。NCは逆転写も容易にする。]
[0015] p6ポリペプチド領域はp55 Gagとアクセサリータンパク質Vprの間の相互作用を仲介し、構築中のビリオンへのVprの取り込みをもたらす。p6領域は、感染細胞から発芽するビリオンの効率良い放出に必要とされる、いわゆる後期ドメインも含有する。]
[0016] Pol遺伝子は、初期感染中にウイルスによって必要とされる2つの活性を有する2つのタンパク質、すなわち、細胞DNAへのウイルスDNAの組み込みに必要とされるRTおよびインテグラーゼタンパク質をコードする。Polの一次産物はビリオンプロテアーゼによって切断されて、DNA合成に必要とされる活性(RNAおよびDNA依存性DNAポリメラーゼ活性およびRNaseH機能)を有するアミノ末端RTペプチドおよびカルボキシ末端インテグラーゼタンパク質が生成される。HIVRTは、完全長RT(p66)とカルボキシ末端RNase Hドメインを欠く切断産物(p51)のヘテロ二量体である。]
[0017] RTは、レトロウイルスゲノムによってコードされる最も高度に保存されたタンパク質の1つである。RTの2つの主な活性はDNA PolおよびリボヌクレアーゼHである。RTのDNA Pol活性は鋳型としてRNAおよびDNAを互換的に使用し、知られている全てのDNAポリメラーゼと同様にDNA合成をde novoで開始することはできず、プライマーとして働く既存の分子(RNA)を必要とする。]
[0018] 全てのRTタンパク質に固有のRNaseH活性は、DNA合成進行時にRNAゲノム除去の反復の初期において必要な役割を果たす。それは全てのRNA-DNAハイブリッド分子からRNAを選択的に分解する。構造上、ポリメラーゼとribo Hは、Polのアミノ末端側3分2を含むPolとの別個の非重複ドメインを占める。]
[0019] p66触媒サブユニットは5つの異なるサブドメインにフォールディングされる。これらのアミノ末端23はRT活性を有する一部分を有する。これらに対するカルボキシ末端はRNaseHドメインである。]
[0020] WO2006/013106は、Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはその免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagとp24 Gagの両方が存在するとき、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片が存在する融合タンパク質を記載する。一実施形態では、融合タンパク質はF4と名付けられている。]
[0021] この型のタンパク質、特にF4は沈殿、凝集、pH、光、攪拌、吸着および/または酸化に対して感受性がある。これは、使用直前の例えば液体アジュバントを用いた後の再調製のための保存用に抗原を凍結乾燥するときでさえ、当てはまる可能性がある。これらの現象、特に沈殿、凝集および/または酸化は、免疫原性および/または抗原性などの有利な生物学的性質の消失をもたらす可能性があり、または製剤への他の望ましくない性質の付与をもたらす可能性がある。さらに、ヒトに使用するための医薬品は十分に特徴付けされ、安定状態かつ安全でなければならない。]
[0022] チオマーサルは特定の製剤中の微生物の増殖を回避するための防腐剤として使用されており、亜硫酸ナトリウムは特定の抗原を安定状態にするために使用されている。しかしながら、前述の試薬に関する欠点が存在し、特に何人かの考案者はワクチン中の水銀含有化合物を除去することを望むので、チオマーサルを使用しないことを好む。亜硫酸ナトリウムは、幾つかの個体からアレルギー反応を引き起こす可能性を有すると考えられる。したがって、亜硫酸ナトリウムが製剤中に含まれる場合、製剤は全ての個体における使用に適していない可能性があるので、そのときラベル上に警告が必要とされる可能性がある。]
[0023] WO2006/013106]
先行技術

[0024] Green et al., New England J. Med, 324, 5, 308 et seq(1991)
Bryant et al. (Ed. Pizzo), Pediatr. Infect. Dis. J., 11, 5, 390 et seq(1992)]
発明が解決しようとする課題

[0025] 本発明者らは製剤へのクエン酸三ナトリウム塩、リンゴ酸ナトリウム塩、デキストロースおよびL-メチオニンなどの作用物質の添加を調べたが、これらは望ましい影響を有していなかった。それにもかかわらず本発明者らは、前記タンパク質、特にF4は亜硫酸ナトリウムの使用無なしで安定状態になり得ることを現在見出している。]
課題を解決するための手段

[0026] したがって本発明は、以下のもの:
(a)Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはその免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片がある、融合タンパク質と、
(b)例えば、グルタチオン、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインもしくはそれらの混合物からなる群より選択される、チオール官能基を含む抗酸化剤である安定化剤とを含む、HIVワクチンのためのバルク製剤または成分を提供する。]
図面の簡単な説明

[0027] F4の還元条件下でのSDS-PAGE分析を示す図である。
F4に関する可溶性アッセイを示す図である。
コドン最適化F4に関するクーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロットを示す図である。
コドン最適化p51RTに関するクーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロットを示す図である。
RT/p55およびRT/p66に関する可溶性アッセイを示す図である。
様々なF4タンパク質に関する還元条件下でのSDS-PAGE分析を示す図である。
F4coおよびカルボキシアミド化F4coの精製のSDS-PAGE追跡を示す図である。F4coまたはF4cocaの精製中に回収したそれぞれの画分5μgを4〜12%のSDSゲル上で分離した。ゲルはクーマシーブルー染色した。1:ホモジネート;2:CM hyperZ溶出物;3:Qセファロース溶出物;4:精製バルク。
精製方法Iまたは方法IIに従い精製したF4、F4coおよびF4cocaのSDS-PAGE分析の図である。それぞれのタンパク質5μgを、還元条件(左)または非還元条件(右)で4〜12%のSDSゲル上で分離した。ゲルはクーマシーブルー染色した。1:方法II-F4co;2:方法II-F4coca;3:方法I-F4coca;4:方法I-F4;5:方法I-カルボキシアミド化F4。
非還元条件下でのSDS-PAGEによる、キレート剤のスクリーニングを示す図である。
グルタチオンおよびモノチオグリセロールを含有する製剤の、4℃におけるT15日の最終バルク安定性の非還元条件下でのSDS-PAGEを示す図である。
システインおよびアセチルシステインを含有する製剤の、4℃におけるT15日の最終バルク安定性の非還元条件下でのSDS-PAGEを示す図である。
グルタチオンおよびモノチオグリセロールを含有する再調製凍結乾燥抗原(ケーキ)の非還元条件におけるSDS-PAGEを示す図である。
システインおよびアセチルシステインを含有する再調製ケーキの非還元条件におけるSDS-PAGEを示す図である。
25℃で4時間の後の(遠心分離前後の)MPLおよびQS21を含有するリポソームアジュバントにおける、システインおよびアセチルシステインを含有する再調製ケーキの非還元条件下のSDS-PAGE分析を示す図である。]
[0028] 有利なことに、本発明によるパート(b)に上で列挙したもののうち少なくとも安定化剤モノチオグリセロールまたはN-アセチルシステインの使用は、亜硫酸ナトリウムと同等またはそれより良い安定化をもたらすと考えられる。すなわち、亜硫酸ナトリウムを使用して前記タンパク質/抗原を安定化するとき、分子内酸化は消失しているように見えるが、分子内酸化が原因であると考えられる(すなわち分子間のジスルフィド結合の形成による)幾らかの凝集は観察される。対照的に、モノチオグリセロール、システインまたはN-アセチルシステインのうちの1つまたは複数を適切なレベルで使用する場合には凝集は観察されず、それによって亜硫酸ナトリウムより良い安定化をもたらす。さらに、抗原の可溶性が維持/保持される。]
[0029] 理論によって縛られることは望まないが、抗酸化剤中のチオール官能性はタンパク質中のチオール基に連結する、および/またはそれらを優先的に酸化しそれによってタンパク質中の酸化を妨ぐかのいずれかであると考えられる。]
[0030] さらに、例えば免疫原性および/または抗原性などのタンパク質の望ましい性質は、本発明の製剤中で維持することができる。]
[0031] 一態様では、安定化剤はモノチオグリセロールである。]
[0032] 一態様では、安定化剤はシステインである。]
[0033] 一態様では、安定化剤はN-アセチルシステインである。]
[0034] 一態様では、安定化剤はグルタチオンである。]
[0035] 少なくとも1つの態様では、最終バルクまたは液体製剤は、亜硫酸ナトリウムなどのアルカリ金属亜硫酸塩を実質的に含まない。]
[0036] 他の態様では、最終バルクまたは液体製剤はチオマーサルを実質的に含まない。]
[0037] 安定化剤は0.01、0.1、0.2、0.3、0.4、0.5、0.6、0.7、0.8、0.9%または1w/v、特に0.5%w/vなどの0.001〜2.5%w/vの範囲の量で存在してよい。]
[0038] 抗酸化剤溶液は以下のように調製することができる:
-粉末または液体の重さを量る
-注射用水、例えば約80ml中に溶かす
-所定の限界、例えば100mlまで水を加える
-NaOH 1Mを用いて、例えば約pH7.5までpH調節する。]
[0039] 本発明において使用する構築物(construct)および本発明による組成物中では、本明細書に記載するように、Nefは完全長Nefであってよい。]
[0040] 一実施形態では、Nefは非ミリストイル化状態である。]
[0041] 本発明において使用する構築物中では、p17 Gagおよびp24 Gagは、例えばそれぞれ完全長p17およびp24である。]
[0042] 一実施形態では、使用するポリペプチドは、p17 Gagとp24 Gagまたはその免疫原性断片を含む。このような構築物中では、p24 Gag成分とp17 Gag成分は、Nefおよび/もしくはRTまたはその免疫原性断片もしくは誘導体など、少なくとも1つのさらなるHIV抗原または免疫原性断片によって隔てられている。]
[0043] あるいは、p17またはp24 Gagは別個にもたらされ得る。]
[0044] 別の実施形態では、本発明中で使用するポリペプチド構築物は、RTまたはその免疫原性断片もしくは誘導体など、PolまたはPolの誘導体をさらに含む。本発明で使用するのに適したRTの特定の断片は、例えばそれらがカルボキシ末端RNaseHドメインを欠くように、RTがC末端で切断されている断片である。カルボキシ末端RNase Hドメインを欠く1つのこのような断片は、本明細書に記載するp51断片である。]
[0045] 本明細書に記載する融合タンパク質中のRTまたは免疫原性断片は、例えばp66 RTまたはp51 RTであってよい。]
[0046] 本発明において使用する融合タンパク質または組成物のRT成分は、位置592における突然変異、または別の残基、例えばリシンへの突然変異によってメチオニンが除去されるような、HXB2以外の株中の同等の突然変異を場合によって含む。この突然変異の目的は、原核生物発現系中で内部開始部位として働く部位を除去することである。]
[0047] RT成分はさらに、または代替的に、酵素活性(逆転写酵素)を除去するための突然変異を含み得る。したがってK231がWの代わりに存在し得る。]
[0048] 抗原が大腸菌中で単独で発現される場合、RTの発現より良いp24の発現が観察されるので、p24およびRTを含む本発明において使用する融合タンパク質中では、p24がRTに先行する構築物を使用することが賢明であり得る。]
[0049] 本発明による特定の構築物には、以下のものが含まれる:
1. p24-RT-Nef-p17(本明細書ではF4とも呼ばれる)
2. p24-RT*-Nef-p17
3. p24-p51RT-Nef-p17
4. p24-p51RT*-Nef-p17
*はリシンへのRTメチオニン592突然変異を表す。]
[0050] 一態様では、融合タンパク質はF4である。]
[0051] 本発明のさらなる態様では、使用するF4または他の融合タンパク質を化学的に処理して、精製を支援するおよび/または望ましい生物学的性質を保持することができる。]
[0052] 適切な化学的処理には、カルボキシメチル化、カルボキシアミド化、アセチル化、またはホルムアルデヒドまたはグルタルアルデヒドなどのアルデヒドを用いた処理がある。]
[0053] 一態様では、融合タンパク質は、前記タンパク質またはその一部分をコードするポリヌクレオチドがコドン最適化されているF4coである。]
[0054] 免疫応答は、ELISA(抗体応答に関して)または細胞マーカーおよびサイトカインに適した染色を使用するフローサイトメトリー(細胞応答に関して)などの、適切な免疫アッセイによって測定することができる。]
[0055] 本発明において使用するHIV抗原のポリペプチド構築物は、大腸菌などの原核生物系をはじめとするin vitro系中で発現させることが可能である。有利なことに、それらは従来の精製法によって精製することができる。]
[0056] 本明細書に記載する融合体は、選択した発現系中で発現する、すなわちそれらが発現系由来の粗製抽出物の上清中に相当量存在するとき可溶性であり得る。粗製抽出物中の融合タンパク質の存在は、SDSゲル上での移動度、クーマシー染色およびデンシトメトリー測定による適切なバンドの確認などの従来の手段によって測定することができる。本発明による融合タンパク質は、本明細書で実施例中に記載する技法によって測定して、例えば少なくとも50%可溶性、少なくとも70%可溶性、特に90%以上可溶性である。組換えにより発現したタンパク質の可溶性を改善するための技法は知られており、例えば、原核生物発現系中では、遺伝子発現が誘導される温度を低下させることによって可溶性を改善する。]
[0057] 本明細書に記載する免疫原性断片は抗原の少なくとも1つのエピトープを含有し、HIV抗原性を示すであろう。上記断片は、適切な構築物中に存在するとき、例えば他のHIV抗原と融合したときまたは担体上に存在するときなどに免疫応答を生成することができ、その免疫応答は天然抗原を対象とする。典型的には、免疫原性断片は、HIV抗原由来の、隣接した少なくとも20アミノ酸、例えば50アミノ酸、100アミノ酸などを含有する。]
[0058] 上記成分は液体製剤として、例えば1または2用量として、または凍結乾燥(freeze-dried(lyophilized))ケーキとして提供することができる。]
[0059] 製剤の成分
一態様では、以下のもの:
(a)本明細書に記載する融合タンパク質と、
(b)場合によって、注射用水などの液体担体、および
(c)グルタチオン、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインまたはそれらの混合物より選択される安定化剤
を含む液体製剤として提供する。]
[0060] 前の文脈中の液体製剤は、バルク生成物または1または2用量の成分を指すものであり得る。]
[0061] 液体製剤は、例えばサッカロース、デキストロース、マンニトールまたはフルクトース、特にサッカロースなどの糖を含み得る。糖の量は、最終製剤の1〜10重量%、例えば、4〜5%w/wなど、4%w/wなどであってよい。]
[0062] 液体製剤は、例えばアルギニンを含み得る。用量当たりのアルギニンの適量は、それぞれの最終用量中で、とりわけ300mMをもたらすように、300〜375mMなど、200〜400mMの範囲である。]
[0063] 液体製剤は、例えば、とりわけ最終用量当たり1mMをもたらすように、1〜1.25mMなど、用量あたり0.5〜2mMの範囲で、キレート剤、例えばクエン酸三ナトリウム塩、リンゴ酸ナトリウム塩、デキストロース、L-メチオニンまたはEDTA二ナトリウム(エチレンジアミン四酢酸)も含み得る。]
[0064] 液体製剤は非イオン性界面活性剤、例えばTween80などのTweenも含み得る。適量は、最終用量中で、0.012〜0.015%w/vなど、0.005〜約0.05%w/vの範囲、とりわけ0.012%w/vである。]
[0065] Tweenは可溶化剤として使用される。しかしながら、抗原の凝集および/または分解を触媒する残留ペルオキシドをTweenが含有し得ると考えられる。有利なことに、本発明による抗酸化剤の使用はこの反応を停止させると考えられる。]
[0066] 液体製剤は、例えば、最終用量中で1〜50mM、例えば10mM、4または5mMなど、4mMなどで、リン酸ナトリウムなどのリン酸(PO4)も含み得る。]
[0067] 本発明の液体製剤は、例えば製造プロセスから残存する可能性がある微量の他の成分、例えばトリスHCLも含み得る。]
[0068] したがって、一態様では、以下のもの:
(a)Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはそれらの免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、その間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片がある融合タンパク質と、
(b)例えば、グルタチオン、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインまたはそれらの混合物からなる群より選択される、チオール官能基を含む抗酸化剤である安定化剤と、
(c)1%w/v以下の非イオン性界面活性剤と、
(d)200〜450mMのアルギニンと、
(e)0.5〜2.0mMのキレート剤と、
(f)1〜50mMのバッファーと
を含む、HIVワクチンのための最終バルクまたは成分を提供する。]
[0069] 一態様では、本発明による成分または最終製剤は、防腐剤、例えばチオマーサルをさらに含む。これは、10用量などの、2用量以上を一緒に供給するときの必要条件であり得る。]
[0070] 本発明の文脈におけるチオール官能基は、対応する分子中の少なくとも1つの-SH基を指すものとする。]
[0071] 本明細書の文脈における最終バルクは、精製抗原、担体および他の賦形剤に関し、ただし、アジュバント成分/賦形剤を含まないであろう。バルク態様は、所与の容器中の3用量以上の存在を指す。したがって最終バルクは、個々の用量に分ける前に抗原および全ての賦形剤を含有するがアジュバントは含まない製剤である。]
[0072] 精製バルクは、抗原および最小量の賦形剤、例えばリン酸生理食塩水バッファーに懸濁した精製抗原を指すものとする。]
[0073] 本明細書のHIVワクチンの成分は、アジュバント賦形剤を除いた、1または2用量の抗原および全ての賦形剤成分を指す。]
[0074] 本発明の一態様では、精製バルクは以下のバッファー中に製造される:トリス10mM、アルギニン400mM(100、200または300Mm)、亜硫酸ナトリウム10mM、EDTA1mM、残留Tween80、pH8.5。]
[0075] 本発明は、亜硫酸塩を含むが、本発明中で使用する抗酸化剤および少なくとも1つのチオール基をさらに含む液体製剤にも及ぶ。亜硫酸塩は例えば、0.5%以下、特に0.1%以下、特に0.05%以下(w/wまたはw/v)など、1%以下のレベルで存在してよい。]
[0076] 一実施形態では、バルク精製抗原中の任意の残留亜硫酸塩安定化剤(後者は最終バルク中の成分である)を除去して、任意の残留亜硫酸塩を含まない最終バルクをもたらす。この態様では、最終バルクは、0.01%未満など、0.05%未満、特にゼロの亜硫酸塩含量を有し得る。]
[0077] このバルクを凍結乾燥して、アジュバントを用いた再調製用のケーキを与える。]
[0078] 一実施形態では、625μlのアジュバントを用いて再調製されるケーキに関するヒト用量500μlは以下のものを含む:
F4 10-30-90μg
サッカロース4%
アルギニン300mM
N-アセチルシステイン0.5%w/v
EDTA二ナトリウム1mM
Tween80 0.012%w/v
PO4 4mM
トリス-HCl残留
pH 6.1+/-0.2(アジュバントを用いた再調製時、ただし注射用水を用いた場合、そのときpHは約7.5である)。]
[0079] 液体アジュバント製剤の添加前の最終液体製剤のpHは、pH6.50〜pH8.5、約pH7.5など、7.5+/-0.1などであってよい。]
[0080] 別の実施形態では、最終バルクを1または2用量の液体製剤を含有する個々のバイアルに分ける。この液体製剤は前に記載したようにアジュバントを用いて再調製することができ、または例えばアジュバントまたは注射用水を用いた後の再調製用に凍結乾燥することができる。]
[0081] したがって液体製剤は、前記抗原、安定化剤および注射用水などの液体担体を含み得るが、一般に全ての賦形剤、例えば最終バルクに関する限り、アジュバントを除く賦形剤/成分を含有するであろう。]
[0082] 液体アジュバント製剤の添加前の本発明による再調製製剤のpHは、約pH6.1などの例えばpH6.00〜pH7.00であってよい。]
[0083] 一実施形態では、最終液体抗原製剤を提供する。本明細書の文脈における最終液体抗原製剤は、アジュバント成分以外の全ての賦形剤を含む、10用量未満の抗原などの1または2用量の抗原を指すものとする。]
[0084] したがって、最終液体抗原製剤とHIVワクチンの成分とは本明細書では同義的に使用する。]
[0085] 本明細書の文脈におけるワクチン(または最終ワクチン製剤)は、ヒト患者への注射に適した製剤であり、例えば最終液体製剤およびアジュバント成分または必要に応じてアジュバントで再調製した凍結乾燥抗原であってよい。]
[0086] 一実施形態では、本発明による最終ワクチン製剤が提供される。本明細書の最終製剤は、アジュバント成分を含めた全ての必要なワクチン成分を含有する製剤を指す。]
[0087] 別個のバイアル中に例えば2つの液体製剤(液体抗原製剤および液体アジュバント製剤)で、別個の成分としてワクチン製剤を提供することは有利である場合がある。ワクチン製剤が(アジュバント成分を含めた)存在する全ての成分と共に提供される形と比較して、抗原はこの形でより長い保存期限を有し得るからである。]
[0088] 例えば液体アジュバント製剤を含む液体成分は、約4℃での保存を必要とする場合がある。]
[0089] 一実施形態では、本発明による抗原および安定化剤を凍結乾燥させる。十分な凍結乾燥は、例えばサッカロースなどの本明細書に挙げる糖または他の賦形剤の存在を必要とする場合がある。この実施形態では、本明細書に記載する1または複数の最終バルク製剤は、本発明中で使用する安定化剤、例えばN-アセチルシステイン、システイン、モノチオグリセロールもしくはそれらの混合物、N-アセチルシステイン、システインまたはモノチオグリセロールなどを用いて凍結乾燥させることが可能である。]
[0090] 凍結乾燥生成物を提供することは、例えば最終液体製剤と比較して、長期間非常に安定した成分を提供する利点を有し得る。本明細書に記載する凍結乾燥生成物は、特に抗原が「高」濃度/用量、例えば60、70、80、90または100ug以上などの50ugを超える用量で存在するとき、安定化剤を含まない対応する凍結乾燥生成物より安定している。]
[0091] 凍結乾燥中、製剤中の成分の有効量は低下させることが可能であり、これは生成物の調製時に考慮しなければならない。したがって、最終用量との用語を本明細書で使用するとき、これは患者への投与に適したまたはそれに整った再調製用量を含むワクチン製剤を指し、それによって凍結乾燥の結果としての任意の減失を考慮に入れる。]
[0092] 本発明は、最終液体製剤または
(a)本発明による抗原および安定化剤を含む液体成分、もしくは
(b)液体アジュバント製剤
を含有する予め充填したシリンジにも及ぶ。]
[0093] 抗原および安定化剤を含む液体成分を上記シリンジが含有する場合、アジュバントをシリンジに引き込んで、患者に投与するための最終製剤をもたらすことができる。]
[0094] 抗原を含有する予め充填したシリンジおよびアジュバントを含有するバイアルは、キットとして提供することができる。]
[0095] あるいは、アジュバントをシリンジに予め充填する場合、液体抗原をシリンジに引き込んで、患者に投与するための最終製剤をもたらすことができる。]
[0096] アジュバントを含有する予め充填したシリンジおよび液体抗原または凍結乾燥抗原を含有するバイアルは、キットとして提供することができる。この後者の場合(すなわち抗原を凍結乾燥する場合)、シリンジ中のアジュバントを使用してバイアル中の抗原を再調製することができ、次いでこのワクチン製剤を、必要に応じてシリンジに再度引き込んで、患者に投与することができる。]
[0097] あるいは、アジュバントで予め充填したバイアルおよび本発明による凍結乾燥抗原または液体抗原の別のバイアルを有する、キットを提供することができる。]
[0098] 本発明は、本発明による成分または組成物を凍結乾燥する方法または手順にも及ぶ。]
[0099] 本発明は、
(a)最終ワクチン(1最終用量のワクチンまたは2最終用量のワクチンなど)をもたらすための本発明による液体抗原成分および液体アジュバント製剤、または
(b)最終ワクチンをもたらすための本発明による凍結乾燥抗原製剤および液体アジュバント製剤
を組み合せることによって、ワクチンを形成するための方法にも及ぶ。]
[0100] 一実施形態では、非シリコン処理ガラスバイアルを使用して最終バルクを保存する。]
[0101] 一実施形態では、3mLのシリコン処理ガラスバイアルを使用して、本発明による抗原成分または最終ワクチン製剤を含有する。]
[0102] 本発明の一態様では、本発明による成分製剤または本発明によるワクチン製剤を保存するために使用するバイアルは、光から前記製剤を保護するために琥珀色である。]
[0103] 発現
ポリヌクレオチドを使用して、選択した発現系中でコードされるポリペプチドを発現させることが可能である。少なくとも1つのHIV抗原、例えばRTは、ポリヌクレオチド中のコドン最適化配列によってコードされる可能性があり、すなわち配列は大腸菌などの選択した組換え発現系中での発現に最適化されている。]
[0104] 場合によっては、適切な発現系、特に大腸菌などの原核生物系中での発現用にコドン最適化された、p51RTポリペプチドまたはその誘導体またはそれをコードするポリヌクレオチドを使用することができる。]
[0105] p51RTポリペプチドまたはポリヌクレオチドは単独、またはポリペプチドまたはポリヌクレオチド構築物と組み合せて使用することができる。]
[0106] 方法
本明細書に記載するポリペプチドは、例えば、
(i)非精製ポリペプチドを含む組成物を提供するステップ、
(ii)組成物に少なくとも2回のクロマトグラフィーステップを行なうステップ、
(iii)任意によりポリペプチドをカルボキシアミド化するステップ、
(iv)バッファー交換ステップを実施して医薬製剤に適したバッファー中にタンパク質を提供するステップ
を含む方法によって、精製することができる。]
[0107] カルボキシアミド化は2回のクロマトグラフィーステップ間で実施することができる。カルボキシアミド化ステップはヨードアセトアミドを使用して実施することができる。]
[0108] 一方法では、2回を超えないクロマトグラフィーステップを使用する。]
[0109] 一態様において本発明は、以下のフローダイヤグラムにおいて示すような、最終バルクまたはワクチン成分の調製法を提供する。]
[0110] 組成物/治療法
本発明による安定化融合タンパク質は、
・1つまたは複数の追加的HIVポリペプチドおよび/またはHIV融合タンパク質
・本発明中で使用する融合タンパク質をコードするポリヌクレオチド、および/または
・特に本明細書に記載したのと同様の、1つまたは複数のHIV抗原をコードするアデノウイルスベクターなどのウイルスベクター
と同時投与および/または同時製剤化することができる。]
[0111] ポリヌクレオチドは、プラスミドDNA、細菌およびウイルス発現系などの核酸発現系をはじめとする、当業者に公知の任意の様々な送達系内に存在してよい。Rolland, Crit. Rev. Therap. Drug Carrier Systems 15:143-198, 1998およびその中に挙げられた参照文献によって記載された技法などの、多数の遺伝子送達技法が当技術分野でよく知られている。適切な核酸発現系は、患者中での発現に必要なDNA配列(適切なプロモーターおよび停止シグナル)を含有する。]
[0112] 発現系がウイルスまたは細菌などの生きた組換え微生物であるとき、対象とする遺伝子を生きた組換えウイルスまたは細菌のゲノム中に挿入することができる。この生ベクターによる接種およびin vivo感染は、抗原のin vivo発現および免疫応答の誘導をもたらし得る。この目的で使用されるウイルスおよび細菌は、例えばポックスウイルス(poxvirus)(例えばワクシニア(vaccinia)、鶏痘(fowlpox)、カナリア痘(canarypox)、改変ポックスウイルス(modified poxviruses)、例えば改変ウイルスアンカラ(Modified Virus Ankara)(MVA))、アルファウイルス(alphavirus)(シンドビスウイルス(Sindbis virus)、セムリキ森林熱ウイルス(Semliki Forest Virus)、ベネズエラ馬脳炎ウイルス(Venezuelian Equine Encephalitis Virus))、フラビウイルス(flaviviruses)(黄熱病ウイルス(yellow fever virus)、デング熱ウイルス(Dengue virus)、日本脳炎ウイルス(Japanese encephalitis virus))、アデノウイルス(adenoviruses)、アデノ随伴ウイルス(adeno-associated virus)、ピコルナウイルス(picornaviruses)(ポリオウイルス(poliovirus)、リノウイルス(rhinovirus))、ヘルペスウイルス(herpesvirus)(水痘帯状疱疹ウイルス(varicella zoster virus)など)、モルビリウイルス(morbilliviruses)(例えば、シュワルツ株またはそれに由来する株などの麻疹ウイルス(measles))、リステリア(Listeria)、サルモネラ(Salmonella)、シゲラ(Shigella)、ナイセリア(Neisseria)、BCGである。これらのウイルスおよび細菌は有毒である可能性があり、または様々な方法で弱毒化して生ワクチンを得ることができる。]
[0113] 生ベクターとして使用するためのアデノウイルスには、例えばAd5またはAd35または非ヒト起源アデノウイルス、非ヒト霊長類アデノウイルスなど、サルアデノウイルスなどがある。一般に、ベクターは複製欠損型である。典型的にこれらのウイルスはE1の欠失を含有し、E1遺伝子で形質転換した細胞株で増殖させることが可能である。適切なサルアデノウイルスはチンパンジーから単離されたウイルスである。特にC68(Pan9としても知られる)(米国特許第6,083,716号参照)ならびにPan5、6およびPan7(WO03/046124)は、本発明中で使用するのに好ましい。これらのベクターを操作して、ポリペプチドをin vivoで発現させることが可能であるように、異種ポリヌクレオチドを挿入することができる。このような組換えアデノウイルスベクターの使用、製剤化および製造は、WO03/046142中に詳細に記載されている。]
[0114] 本発明の組成物は、例えばWO99/16884中に記載されたように、gp120ポリペプチド、NefTat融合タンパク質などと混合して他のHIV抗原も含み得る。NefTat融合タンパク質およびさらにgp120ポリペプチド/タンパク質の調製は、WO01/54719中に記載されている。]
[0115] 一実施形態では、gp120ポリペプチド/タンパク質は、本発明による製剤中に混合状態で存在する。]
[0116] 本発明による成分を使用するワクチンは、HIVおよび/またはAIDS、特にHIVに対する予防および/または治療免疫処置に使用することができる。]
[0117] 本発明は、HIVおよび/またはAIDS、特にHIVに対する予防および/または治療免疫処置用のワクチンの製造における、本明細書に記載した任意の態様の使用をさらに提供する。]
[0118] ワクチン調製は、New Trendsand Developments in Vaccines, Voller et al.編, University Park Press, Baltimore, Maryland, U.S.A. 1978に一般的に記載されている。リポソーム内のカプセル化は、例えばFullerton、米国特許第4,235,877号によって記載されている。タンパク質とマクロ分子の結合は、例えばLikhite、米国特許第4,372,945号およびArmor et al.、米国特許第4,474,757号によって開示されている。]
[0119] ワクチン用量中のタンパク質の量は、典型的なワクチンにおいて著しい副作用なしで、適切な免疫応答または免疫防御応答を誘導する量として選択する。このような量は、どの特異的免疫原を使用するか、および選択するワクチン接種レジメンに応じて変わり得る。一般に、それぞれの用量は1〜1000μgのそれぞれのタンパク質、例えば2〜200μg、3〜100μgなど、特に10、20、30、40、50、60、70、80または90μg、特に10、30または90μgのポリペプチド融合体(本明細書では融合タンパク質とも呼ぶ)を含み得ると予想される。]
[0120] gp120を製剤中に混合状態で使用する場合、投与当たりの量は例えば、50μg以下など、100μg未満、特に25、20、10、5μgであり得る。]
[0121] 個々のワクチンに関する最適量は、被験体における抗体力価および他の免疫応答の観察を含む標準的な試験によって確認することができる。]
[0122] 最初のワクチン接種後、被験体は約4、5、6、7、8、9、10、11、12、16または24週内に追加抗原刺激、およびさらに4、5、6、7、8、9、10、11または12、16、20、24、28、32、36、40、44、48または50週内に後の2回目の追加抗原刺激を受けることができる。]
[0123] あるいは、被験体は約4、5、6、7、8、9、10、11、12、16または24週内に追加抗原刺激、およびさらに4、8、12、16、20、24、28、32、36、40、44、48、または52週内に後の2回目の追加抗原刺激を受けることができる。]
[0124] 投与に適した融合タンパク質の最終ワクチン製剤はアジュバントを含み得る。]
[0125] アジュバントは一般に、Vaccine Design-the Subunit and Adjuvant Approach, Powell and Newman編, Plenum Press, New York, 1995に記載されている。]
[0126] 適切なアジュバントは水酸化アルミニウムまたはリン酸アルミニウムなどのアルミニウム塩を含むが、カルシウム、鉄または亜鉛の塩であってもよく、またはアシル化チロシン、またはアシル化糖、カチオン性またはアニオン性誘導体多糖、またはポリホスファゼンの不溶性物質懸濁液であってよい。]
[0127] 本発明の製剤において、適切なアジュバント組成物は優先的Th1応答を誘導する組成物である。]
[0128] 哺乳動物の免疫応答には、2つの重要な成分、体液性免疫応答および細胞性免疫応答がある。]
[0129] 体液性免疫応答は、それらが特異的である抗原と結合し得る循環抗体を生成し、それによって抗原を中和し、細胞毒性であるかまたは食作用があるかのいずれかである他の細胞を含むプロセスによってその後のクリアランスを助長することを含む。B細胞は、抗体の生成(血漿B細胞)、および体液性免疫記憶(記憶B細胞)、すなわち、例えば予防接種によるその最初の曝露後数年での抗原を認識する能力の保持を担う。]
[0130] 細胞性免疫応答は、特にT細胞である多数の異なる型の細胞の相互作用を含む。T細胞は、幾つかの異なるサブセット、主にCD4+およびCD8+T細胞に分けられる。]
[0131] マクロファージおよび樹状細胞などの抗原提示細胞(APC)は免疫系の監視員として働き、外来性抗原に対して身体をスクリーニングする。細胞外の外来性抗原がAPCによって検出されると、これらの抗原はAPC内に貪食され(飲み込まれ)、そこでそれらはさらに小さなペプチドにプロセシングされる。これらのペプチドはAPCの表面において主要組織適合遺伝子複合体クラスII(MHCII)分子上で後に提示され、そこでそれらは、CD4表面分子を発現する抗原特異的Tリンパ球(CD4+T細胞)によって認識される可能性がある。]
[0132] TヘルパーCD4+T細胞はB細胞の活性化の手助けをもたらして、抗体を産生および放出する。TヘルパーCD4+T細胞は、抗原特異的CD8+T細胞の活性化に関与することもできる。]
[0133] CD8+T細胞は、適切な同時刺激シグナルの存在下で主要組織適合遺伝子複合体クラスI(MHCI)分子によって宿主細胞の表面上のペプチドが提示されるとき、それらが特異的であるペプチドを認識する。MHCI分子上で提示されるために、外来性抗原は、ウイルスまたは細胞内細菌が宿主細胞に直接浸透するとき、またはDNA接種後と同様に、細胞の内部(サイトゾルまたは核)に直接アクセスする必要がある。細胞内では、抗原は小さなペプチドにプロセシングされ、それらはMHC I分子に充填され、細胞の表面に再度向けられる。活性化によってCD8+T細胞は、マクロファージおよび他の細胞を活性化するインターフェロンγなどの多数のサイトカインを分泌する。特に、これらのCD8+T細胞の1サブセットは、活性化によって溶解および細胞毒性分子(例えば、グランザイム、ペルフォリン)を分泌する。このようなCD8+T細胞は細胞毒性T細胞と呼ばれる。]
[0134] さらに近年、MHCI複合体への細胞外抗原またはその断片のロードを含む抗原提示の他の経路が記載されており、「クロスプレゼンテーション」と呼ばれている。]
[0135] CD4+T細胞の中で、Tヘルパー1(Th1)およびTヘルパー2(Th2)サブセットは、抗原認識後にそれらが生成する応答によって定義することができる。ペプチド-MHCII複合体の認識によって、Th1 CD4+T細胞はインターロイキンおよびインターフェロンγ、IL-2およびTNF-αなどのサイトカインを分泌する。対照的に、Th2CD4+T細胞は一般にIL-4、IL-5またはIL-13などのインターロイキンを分泌する。]
[0136] 特定のワクチンアジュバントは、Th1またはTh2型いずれかのサイトカイン応答の刺激に特に適していることは知られている。伝統的に、予防接種または感染後の免疫応答のTh1とTh2のバランスの最良の指標は、抗原を用いた再刺激後のin vitroでのTリンパ球によるTh1またはTh2サイトカインの産生の直接測定、および/または抗原特異的抗体応答のIgG1とIgG2aの比の測定を含む。]
[0137] したがって、Th1型アジュバントは、in vitroでの抗原を用いた再刺激時に高レベルのTh1型サイトカインを産生するために単離T細胞集団を刺激し、かつTh1型アイソタイプと関係がある抗原特異的免疫グロブリン応答を誘導するアジュバントである。]
[0138] 本発明中で使用するのに適したアジュバントを産生するために製剤化することができる好ましいTh1型免疫刺激剤には、以下のものがあるが、これらだけには限られない。]
[0139] モノホスホリル脂質A、特に3-de-O-アシル化モノホスホリル脂質A(3D-MPL)は、本発明中で使用するのに好ましいTh1型免疫刺激剤である。3D-MPLはRibi Immunochem、Montanaによって製造されている周知のアジュバントである。化学的に、それは3-de-O-アシル化モノホスホリル脂質Aと4、5、または6アシル化鎖のいずれかとの混合物として供給されることが多い。それはGB2122204B中で教示された方法によって調製し精製することができ、その参照文献はジホスホリル脂質A、およびその3-O-脱アシル化変異体の調製も開示する。他の精製および合成リポ多糖は記載されている(米国特許第6,005,099号およびEP0729473B1; Hilgers et al., 1986, Int. Arch. Allergy. Immunol., 79(4): 392-6; Hilgers et al., 1987, Immunology, 60(1):141-6;およびEP0549074B1)。3D-MPLの好ましい形は、直径0.2μm未満の小さな粒径を有する粒子状製剤の形であり、その製造法はEP0689454中に開示されている。]
[0140] サポニンも本発明による好ましいTh1型免疫刺激剤である。サポニンはよく知られているアジュバントであり、Lacaille-Dubois, M and Wagner H.(1996. A review of the biological and pharmacological activities of saponins. Phytomedicine vol2 pp363-386)中に教示されている。例えば、QuilA(南アメリカ産樹木キラヤサポナリアモリーナ(Quillaja Saponaria Molina)の樹皮に由来する)、およびその画分は、米国特許第5,057,540号および「Saponins as vaccine adjuvants」、Kensil, C. R., Crit Rev Ther Drug Carrier Syst, 1996, 12(1-2): 1-55;およびEP0362279B1中に記載されている。溶血性サポニンQS21およびQS17(QuilAのHPLC精製画分)は強力な全身性アジュバントとして記載されており、それらの生成の方法は米国特許第5,057,540号およびEP0362279B1中に開示されている。これらの参照文献中には、全身性ワクチンの強力なアジュバントとして働くQS7(Quil-Aの非溶血性画分)の使用も記載されている。QS21の使用はKensil et al. (1991. J. Immunology vol 146, 431-437)中にさらに記載されている。QS21とポリソルベートまたはシクロデキストリンの組合せも知られている(WO99/10008)。QS21およびQS7などのQuilAの画分を含む粒子状アジュバント系は、WO96/33739およびWO96/11711中に記載されている。1つのこのような系はISCOMとして知られており、1つまたは複数のサポニンを含有することができる。]
[0141] 別の適切な免疫刺激剤は、非メチル化CpGジヌクレオチド(「CpG」)を含有する免疫刺激性オリゴヌクレオチドである。CpGはDNA中に存在するシトシン-グアノシンジヌクレオチドモチーフの略称である。CpGは、全身経路と粘膜経路の両方による投与時のアジュバントとして当技術分野で公知である(WO96/02555、EP468520、Davis et al., J. Immunol, 1998, 160(2): 870-876; McCluskie and Davis, J. Immunol., 1998, 161(9):4463-6)。歴史上、BCGのDNA画分は抗腫瘍効果を発揮し得ることが観察された。さらなる試験では、BCG遺伝子配列由来の合成オリゴヌクレオチドは、(in vitroとin vivoの両方で)免疫刺激効果を誘導することができることが示された。これらの研究の著者は、中心CGモチーフを含む特定のパリンドローム配列はこの活性を有していたと結論付けた。免疫刺激中のCGモチーフの中心的役割は、Krieg, Nature, 374, p546 1995による刊行物中で後に解明された。詳細な分析によって、CGモチーフは特定の配列関係でなければならないこと、およびこのような配列は細菌DNA中では一般的であるが、脊椎動物DNA中では稀であることを示している。免疫刺激性配列はプリン、プリン、C、G、ピリミジン、ピリミジンであることが多く、CGモチーフはメチル化されていないが、他の非メチル化CpG配列は免疫刺激性であることが知られており、本発明中で使用することができる。]
[0142] 幾つかの場合、パリンドローム配列の6ヌクレオチドの組合せが存在する。これらのモチーフの幾つかは、1つのモチーフまたは異なるモチーフの組合せの反復単位として、同じオリゴヌクレオチド中に存在し得る。オリゴヌクレオチドを含有する1つまたは複数のこれらの免疫刺激性配列の存在は、(インターフェロンγを産生し細胞溶解活性を有する)ナチュラルキラー細胞およびマクロファージをはじめとする様々な免疫サブセットを活性化し得る(Wooldrige et al Vol89(no.8), 1977)。このコンセンサス配列を有していない他の非メチル化CpG含有配列も、免疫刺激性であることが現在示されている。]
[0143] 実際これらの「CpG」含有配列は酸化を受けやすいこと、および本発明中で使用するチオール含有還元基の付加は、この望ましくない酸化を低減または排除するさらなる利点があると考えられることも、本発明者らによって仮定される。]
[0144] ワクチンに製剤化するときCpGは、一般に遊離抗原を含む遊離溶液中に投与する(WO96/02555;McCluskie and Davis、上記)、または抗原と共有結合する(WO98/16247)、または水酸化アルミニウムなどの担体を用いて製剤化する((肝炎表面抗原)Davis et al.上掲; Brazolot-Millan et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA, 1998, 95(26), 15553-8)。]
[0145] 上記のこのような免疫刺激剤は、例えばリポソーム、水中油型エマルジョン、およびまたはアルミニウム塩をはじめとする金属塩(水酸化アルミニウムなど)などの、担体を用いて製剤化することができる。例えば、3D-MPLは水酸化アルミニウム(EP0689454)または水中油型エマルジョン(WO95/17210)を用いて製剤化することができ、QS21はコレステロール含有リポソーム(WO96/33739)、水中油型エマルジョン(WO95/17210)またはミョウバン(WO98/15287)を用いて有利に製剤化することができ、CpGはミョウバン(Davis et al.上掲; Brazolot-Millan, 上掲)または他のカチオン性担体を用いて製剤化することができる。]
[0146] 免疫刺激剤の組合せ、特にモノホスホリル脂質Aとサポニン誘導体の組合せ(WO94/00153;WO95/17210;WO96/33739;WO98/56414;WO99/12565;WO99/11241)、より詳細にはWO94/00153中に開示されたQS21と3D-MPLの組合せも好ましい。あるいは、CpGとQS21などのサポニンの組合せも、本発明中で使用するための強力なアジュバントを形成する。あるいは、サポニンはリポソーム中またはISCOM中に製剤化することができ、免疫刺激性オリゴヌクレオチドと組み合せることができる。]
[0147] 増強系は、モノホスホリル脂質Aとサポニン誘導体との組合せ、特にWO94/00153中に開示されたQS21と3D-MPLとの組合せ、またはWO96/33739中に開示されたようにコレステロール含有リポソーム中にQS21がクエンチされた低反応性組成物(DQ)を含む。この組合せは、免疫刺激性オリゴヌクレオチドを追加的に含み得る。]
[0148] 水中油型エマルジョン中にQS21、3D-MPLおよびトコフェロールを含む特に強力なアジュバント製剤はWO95/17210中に記載されており、かつ本発明中で使用するための別の適切な製剤である。]
[0149] 本発明による製剤中で使用するのに特に適したアジュバントの組合せは以下の通りである:
(i)リポソーム製剤中の3D-MPL+QS21
(ii)水中油型エマルジョン中の3D-MPL+QS21
(iii)リポソーム製剤中の3D-MPL+QS21+CpG、および
(iv)水中油型エマルジョン中の3D-MPL+QS21+CpG。]
[0150] 本発明のさらなる態様では、本明細書に記載するワクチン製剤の製造法を提供し、この方法は本発明によるポリペプチドと適切なアジュバントを混合することを含む。]
[0151] 医薬組成物の投与は、例えば同一ポリペプチド含有組成物の反復用量として、異種「初回抗原刺激-追加抗原刺激」ワクチン接種レジメンにおいて、1用量または個別の2用量以上の形をとることができる。異種初回抗原刺激-追加抗原刺激レジメンは、その各々がそれ自体2回以上の投与を含み得る初回抗原刺激および追加抗原刺激において、異なる形のワクチンの投与を使用する。初回抗原刺激組成物および追加抗原刺激組成物は一般に少なくとも1つの共通の抗原を有し得るが、それは必ずしも同一の形の抗原ではなく、それは異なる形の同じ抗原であってよい。]
[0152] 本発明による初回抗原刺激-追加抗原刺激免疫処置は、タンパク質およびDNAベースまたはウイルスベクター製剤の組合せを用いて実施することができる。このような戦略は、広範囲の免疫応答を誘導する際に有効であると考えられる。アジュバントタンパク質ワクチンは抗体およびTヘルパー免疫応答を主に誘導し、一方プラスミドまたは生ベクターとしてのDNAの送達は、強力な細胞毒性Tリンパ球(CTL)応答を誘導する。したがって、タンパク質およびDNAまたはウイルスベクターワクチン接種の組合せは、広く様々な免疫応答をもたらし得る。これはHIVの文脈では特に重要である。中和抗体、CD4+T細胞および/またはCTLは、HIVに対する免疫防御に重要であると考えられるからである。]
[0153] 本発明によれば、ワクチン接種のスケジュールは、本発明によるポリペプチド抗原およびポリペプチドをコードするDNAの逐次(「初回抗原刺激-追加抗原刺激」)投与を含み得る。DNAはプラスミドDNAなどの裸DNAとして、または組換え生ベクター、例えばポックスウイルスベクター、アデノウイルスベクター、または任意の他の適切な生ベクターの形で送達することができる。タンパク質抗原は1回または数回注射し、次に1回または複数回のDNAまたはウイルスベクター投与が可能であり、またはDNAもしくはウイルスベクターは最初に1回または複数回の投与、次に1回または複数回のタンパク質免疫処置に使用することができる。]
[0154] 本発明による初回抗原刺激-追加抗原刺激免疫処置の特定例は、改変ポックスウイルスベクター、例えば改変ウイルスアンカラ(MVA)またはアルファウイルス、例えばベネズエラ馬脳炎ウイルス、またはアデノウイルスベクターなどの組換え生ベクターをDNAで初回抗原刺激すること、次にアジュバントタンパク質などのタンパク質で追加抗原刺激することを含む。]
[0155] 初回抗原刺激組成物と追加抗原刺激組成物はいずれも、2用量以上で送達することができる。さらに最初の初回抗原刺激および追加抗原刺激用量に、例えばDNAプラスミドまたはウイルスベクター初回抗原刺激/タンパク質追加抗原刺激/さらなるDNAプラスミドまたはウイルスベクター用量/さらなるタンパク質用量をもたらすために変えることができる、さらなる用量を続けることができる。別の初回抗原刺激-追加抗原刺激レジメンは、例えば1または2用量のタンパク質での初回抗原刺激、およびDNAまたはウイルスベクターでの1回または2回の後の追加抗原刺激を含み得る。]
[0156] コドン最適化によって、ポリヌクレオチド配列を最適化して、望ましい発現系、例えば大腸菌などの原核生物系中での、遺伝子のコドン使用頻度を模倣することを意味する。特に、配列中のコドン使用頻度を最適化して、高度に発現された大腸菌遺伝子のそれを模倣する。]
[0157] 本発明による組換え系中での発現のためのコドン最適化の目的は、組換え産物の発現レベルを改善すること、および(より均質な発現パターンを得るために)発現産物をより均質にすることの2つである。改善された均質性は、トランケート型などの無関連の発現産物がよりわずかに存在することを意味する。大腸菌発現へのコドン使用頻度の適応は、推定「フレームシフト」配列、ならびに未成熟な停止および/または内部開始部位を排除することもできる。]
[0158] DNAコードは4文字(A、T、CおよびG)を有し、これらを使用して生物の遺伝子中にコードされるアミノ酸タンパク質を表す3文字の「コドン」を綴る。DNA分子に沿ったコドンの直鎖状配列は、これらの遺伝子によってコードされる(1つまたは複数の)タンパク質中のアミノ酸の直鎖状配列に翻訳される。コードは高度に縮重しており、61のコドンが20の天然アミノ酸をコードし、かつ3コドンは「停止」シグナルを表す。したがって、大部分のアミノ酸は2つ以上のコドンによってコードされ、実際幾つかは4つ以上の異なるコドンによってコードされる。]
[0159] 2つ以上のコドンを利用して所与のアミノ酸をコードする場合、生物のコドン使用頻度のパターンは非常に非ランダムであることが観察されている。異なる生物種はそれらのコドン選択において異なる偏向を示し、かつさらに、高レベルおよび低レベルで発現される遺伝子間で、単一生物種においてコドンの使用は著しく異なる可能性がある。この偏向はウイルス、植物、細菌および哺乳動物細胞において異なり、かつ幾つかの生物種は他よりランダムなコドン選択からより強い偏向を示す。例えば、ヒトおよび他の哺乳動物は、特定の細菌またはウイルスほど強く偏っていない。これらの理由で、大腸菌中で発現される哺乳動物ウイルス由来のウイルス遺伝子、または哺乳動物細胞中で発現される外来性もしくは組換え遺伝子が、有効な発現に関してコドンの不適切な分布を有し得る有意な確率がある。発現が起こり得る宿主中で稀に観察される、コドンの集合体または多量のコドンの異種DNA配列の存在は、その宿主中での低い異種発現レベルを示すと考えられる。]
[0160] 本発明のポリヌクレオチドでは、したがってコドン使用頻度のパターンを、ヒト免疫不全ウイルスに典型的なパターンから変えて、標的生物、例えば大腸菌のコドンの偏向をより厳密に表すことができる。]
[0161] コドン最適化に有用な様々な公に利用されているプログラム、例えば「CalcGene」が存在する(Hale and Thompson, Protein Expression and Purification12: 185-189(1998))。]
[0162] 本発明は、例えばNefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはその免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagとp24 Gagの両方が存在する場合、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片、特にF4が存在する融合タンパク質を含む、HIVワクチンの成分を安定化するための、グルタチオン、モノチオグリセロール、システインおよびN-アセチルシステインもしくはそれらの混合物(特にモノチオグリセロール、システインまたはN-アセチルシステイン)の使用にも及ぶ。]
[0163] 代替的または追加的態様では、本発明は、不活性環境中、例えば酸素が除去されているおよび/またはタンパク質を光から保護した容器中に、F4タンパク質などの本明細書に記載するタンパク質を提供する。これはタンパク質の凝集および/または分解を最小化または排除することも可能であるらしい。タンパク質は例えば窒素下で保存することができ、および/または琥珀色のバイアル中に保存することができる。]
[0164] 本明細書の文脈では、「含む」は包括的であることを意味する。すなわち実施形態は、他の要素を排除せずに関連要素を含む。]
[0165] 態様/実施形態は前記要素を含み逆も然りなので、本発明は、本明細書に記載する要素からなる、またはそれらから本質的になる別の実施形態にも及ぶ。]
[0166] 本明細書の背景技術部分中の記載は、本発明を文脈の中に置く目的である。それは情報が公知である、または一般常識であることを了解するものとして解釈すべきではない。]
[0167] 以下の実施例は、本発明の物品を調製するために使用することができる方法を例示するために示す。]
[0168] 実施例1
HIV-1p24-RT-Nef-p17融合F4およびF4コドン最適化(co)の構築ならびに発現
1. 非コドン最適化F4
HIV-1 gag p24(カプシドタンパク質)およびp17(マトリックスタンパク質)、逆転写酵素およびNefタンパク質を、バアクテリオファージT7プロモーターの制御下において、大腸菌B834菌株(B834(DE3)はBL21(DE3)のメチオニン要求性の親株である)中で発現させた(pET発現系)。]
[0169] これらは、4つのタンパク質の完全配列を含有する1つの融合タンパク質として発現させた。成熟p24コード配列はHIV-1 BH10分子クローンに由来し、成熟p17配列およびRT遺伝子はHXB2に由来し、かつNef遺伝子はBRU分離株に由来する。]
[0170] 誘導後、組換え細胞は、全タンパク質の10%に達する顕著なレベルのp24-RT-Nef-p17融合体を発現した。]
[0171] 細胞を22℃で増殖および誘導したとき、(凍結/融解後でさえ)p24-RT-Nef-p17融合タンパク質は主に細菌溶解物の可溶性画分に限られた。30℃で増殖させたとき、約30%の組換えタンパク質が不溶性画分に伴っていた。]
[0172] 融合タンパク質p24-RT-Nef-p17は、約129kDaの分子量を有する1136のアミノ酸で構成される。完全長タンパク質はSDSゲル上で約130kDaに移動する。2Dゲル電気泳動により確認して、このタンパク質はそのアミノ酸配列に基づいて7.96の理論上の等電点(pI)を有する。]
[0173] 組換えプラスミドの詳細:
名称: pRIT15436(または実験室名pET28b/p24-RT-Nef-p17)
宿主ベクター:pET28b
レプリコン:colE1
選択:カナマイシン
プロモーター: T7
挿入: p24-RT-Nef-p17融合遺伝子。]
[0174] 組換えタンパク質の詳細:
p24-RT-Nef-p17融合タンパク質:1136のアミノ酸。]
[0175] N末端-p24:232a.a.-ヒンジ:2a.a.-RT:562a.a.-ヒンジ:2a.a.-Nef:206a.a.-P17:132a.a.-C末端
ヌクレオチドおよびアミノ酸配列:
ヌクレオチド配列]
[0176] P24配列は太字である
Nef配列には下線を引いてある
ボックス:遺伝的構築によって導入されたヌクレオチド。]
[0177] アミノ酸配列]
[0178] P24配列:アミノ酸1〜232(太字)
RT配列:アミノ酸235〜795
Nef配列:アミノ酸798〜1002
P17配列:アミノ酸1005〜1136
ボックス:遺伝的構築によって導入されたアミノ酸
K(リシン):トリプトファンの代わり(W)。酵素活性を除去するために導入した突然変異。]
[0179] 組換えタンパク質の発現:
pETプラスミドでは、標的遺伝子(p24-RT-Nef-p17)は強力なバクテリオファージT7プロモーターの制御下にある。このプロモーターは大腸菌RNAポリメラーゼによって認識されず、宿主細胞中のT7 RNAポリメラーゼの供給源に依存する。B834(DE3)宿主細胞はlacUV5の制御下にT7RNAポリメラーゼ遺伝子の染色体コピーを含有し、細菌培養物へのIPTGの添加によって発現が誘導される。]
[0180] 前培養物を、振とうフラスコ中で37℃において、対数増殖期(A620:0.6)まで増殖させ、次いで(静止期培養を回避するために)4℃において一晩保存した。培養物は、1%グルコースおよび50μg/mlのカナマイシンを添加したLBT培地中で増殖させた。増殖培地へのグルコースの添加には、基底状態での組換えタンパク質発現を低減する(lacUV5プロモーターのcAMP仲介抑制解除を回避する)利点がある。]
[0181] 4℃において一晩保存した10mlの培養物を使用して、カナマイシンを含有する200mlのLBT培地(グルコース含まず)に接種した。培養物は30℃および22℃で増殖させ、O.D.620が0.6に達したとき、IPTGを加えた(最終1mM)。培養物はさらに3、5および18時間(一晩)インキュベートした。3、5および18時間の誘導の前後にサンプルを回収した。]
[0182] 抽出物の調製は以下の通りであった:
細胞ペレットはブレークバッファー*中に懸濁し(10の理論上O.D.で)、(20.000psiまたは1250バールで)フレンチプレスに4回通すことにより破砕した。粗製抽出物(T)は30分間20000gで遠心分離にかけて、可溶性(S)画分と不溶性(P)画分を分離した。]
[0183] *ブレークバッファー:50mMのトリス-HCL pH8.0、1mMのEDTA、1mMのDTT+プロテアーゼ阻害剤カクテル(Complete/Boerhinger)。]
[0184] SDS-PAGEおよびウエスタンブロット分析:
不溶性ペレット(P)、上清(S)および粗製抽出物(T)に対応する画分を10%還元SDS-PAGEで泳動した。p24-RT-Nef-p17組換え体はクーマシーブルー染色およびウエスタンブロット(WB)によって検出した。]
[0185] クーマシー染色:p24-RT-Nef-p17タンパク質は±130kDaで1つのバンドとして現れる(計算上の分子量と一致):
理論上の分子量:128.970ダルトン
みかけの分子量:130kDa
ウエスタンブロット分析:
試薬=・RTに対するモノクローナル抗体(p66/p51)
ABI(Advanced Biotechnologies)から購入
希釈:1/5000
・アルカリホスファターゼ結合抗マウス抗体
希釈:1/7500
発現レベル:・全タンパク質の最大10%を表す、22℃で20時間の誘導後に非常に強力なp24-RT-Nef-p17特異的バンド(図1参照)。
組換えタンパク質の「可溶性」:
「新鮮」細胞抽出物(T、S、P画分):22℃/20時間での増殖/誘導によって、ほぼ全てのp24-RT-Nef-p17融合タンパク質は、細胞抽出物の可溶性画分中に回収される(図1)。30℃/20時間での増殖/誘導によって、p24-RT-Nef-p17タンパク質の約30%が不溶性画分に伴う(図1)
「凍結/融解」(S2、P2画分):
可溶性(S1)画分(22℃で20時間の誘導)を-20℃で保存した。解凍し20000g/30分で遠心分離にかけた。:S2およびP2(1/10volに再懸濁)
DTTを含むブレークバッファー:ほぼ全てのp24-RT-Nef-p17融合タンパク質は依然として可溶性(わずか1〜5%が沈殿)(図2参照)
DTTを含まないブレークバッファー:85〜90%のp24-RT-Nef-p17が依然として可溶性(図2)。]
[0186] 図面:
図1:p24-RT-Nef-p17(F4)に関するクーマシー染色およびウエスタンブロット(10%SDS-PAGE還元)
図2:クーマシー染色およびウエスタンブロットにより検出したp24-RT-Nef-p17可溶性アッセイ(還元ゲル:10%SDS-PAGE)。]
[0187] 以下に続く実施例に関する細胞増殖および誘導条件および細胞抽出物の調製は、他の条件(例えば、温度、ブレークバッファーの組成)を指定しない限り実施例1中に記載したのと同様である。]
[0188] 2. F4コドン最適化
以下のポリヌクレオチド配列は、そのコドン使用頻度が大腸菌中で高度に発現される遺伝子におけるコドン使用頻度と似るようにコドン最適化されている。アミノ酸配列は、非コドン最適化F4に関して上記で与えたアミノ酸配列と同一である。]
[0189] F4coのヌクレオチド配列:]
[0190] P24配列は太字である
Nef配列には下線を引いてある
ボックス:遺伝的構築によって導入されたヌクレオチド。]
[0191] 非コドン最適化F4に関して使用した手順を、コドン最適化配列に適用した。]
[0192] 組換えプラスミドの詳細:
名称: pRIT15513(実験室名pET28b/p24-RT-Nef-p17)
宿主ベクター:pET28b
レプリコン:colE1
選択:カナマイシン
プロモーター: T7
インサート: p24-RT-Nef-p17融合遺伝子、コドン最適化。]
[0193] F4コドン最適化遺伝子は、大腸菌BLR(DE3)細胞(B834(DE3)菌株のrecA-誘導体)中で発現させた。RecAの突然変異はラムダファージの考えられる生成を妨げる。]
[0194] 前培養物を、振とうフラスコ中で37℃において、対数増殖期(A620:0.6)まで増殖させ、次いで(静止期培養を回避するために)4℃において一晩保存した。]
[0195] 培養物は、1%グルコースおよび50μg/mlのカナマイシンを添加したLBT培地中で増殖させた。増殖培地へのグルコースの添加には、基底状態での組換えタンパク質発現を低減する(lacUV5プロモーターのcAMP仲介抑制解除を回避する)利点がある。]
[0196] 4℃において一晩保存した10mlの培養物を使用して、カナマイシンを含有する200mlのLBT培地(グルコース含まず)に接種した。培養物は37℃で増殖させ、O.D.620が0.6に達したとき、IPTGを加えた(1mM最終)。培養物は22℃でさらに19時間(一晩)インキュベートした。19時間の誘導の前後にサンプルを回収した。]
[0197] 抽出物の調製は以下の通りであった:
細胞ペレットはサンプルバッファー中に最懸濁し(10の理論上O.D.で)、煮沸しSDS-PAGEに直接ロードした。]
[0198] SDS-PAGEおよびウエスタンブロット分析:
粗製抽出物サンプルを10%還元SDS-PAGEで泳動した。
p24-RT-Nef-p17組換え体タンパク質はクーマシーブルー染色(図2)およびウエスタンブロットによって検出した。
クーマシー染色:p24-RT-Nef-p17タンパク質は±130kDaで1つのバンドとして現れる(計算上の分子量と一致):
理論上の分子量:128.967ダルトン
みかけの分子量:130kDa
ウエスタンブロット分析:
試薬=・ウサギポリクローナル抗RT(ウサギPO3L16)
希釈:1/10.000
・ウサギポリクローナル抗Nef-Tat(ウサギ388)
希釈:1/10.000
・アルカリホスファターゼ結合抗ウサギ抗体
希釈:1/7500。]
[0199] 19時間22℃での誘導後、組換えBLR(DE3)細胞は、全タンパク質の10〜15%の範囲の非常に高いレベルでF4融合体を発現した。]
[0200] 天然遺伝子由来のF4と比較して、コドン最適化遺伝子由来のF4組換え産物のプロファイルは若干単純化している。60kDaにおける主要F4関連バンド、およびその下の小バンドは消失した(図3参照)。F4を発現するB834(DE3)組換え菌株と比較して、F4coを産生するBLR(DE3)菌株は、F4完全長タンパク質の多量の産生、組換え産物の複雑性の低いバンドパターンという利点を有する。]
[0201] 図3は、F4コドン最適化に関するクーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロットを示し、ここで:]
[0202] 実施例2
P51RT(切断型、コドン最適化RT)の構築および発現
アミノ酸428と448の間のRT/p66領域は大腸菌プロテアーゼの影響を受けやすい。P51構築物はLeu427で終結し、RNaseHドメインの排除をもたらす。]
[0203] RT天然遺伝子配列において同定した推定大腸菌「フレームシフト」配列も(p51遺伝子のコドン最適化によって)排除された。]
[0204] p51合成遺伝子設計/構築:
合成p51遺伝子の配列を、大腸菌のコドン使用頻度に従い設計した。したがってその配列は、そのコドン使用頻度が大腸菌中で高度に発現される遺伝子におけるコドン使用頻度と似るようにコドン最適化されている。合成遺伝子は以下のように構築した。32のオリゴヌクレオチドを1ステップのPCRにおいて組み合わせた。第2のPCRでは、完全長構築物を末端プライマーを使用して増幅し、生成したPCR産物をpGEM-T中間プラスミドにクローニングした。遺伝子合成中に導入された点変異を補正した後、p51合成遺伝子をpET29a発現プラスミドにクローニングした。この組換えプラスミドを使用してB834(DE3)細胞を形質転換した。]
[0205] 組換えタンパク質の特性:
P51RTヌクレオチド配列]
[0206] ボックス:遺伝的構築によって導入されたアミノ酸。]
[0207] 1.1アミノ酸配列:]
[0208] ボックス:遺伝的構築によって導入されたアミノ酸
K(リシン):トリプトファンの代わり(W)。酵素活性を除去するために導入した突然変異
長さ、分子量、等電点(IP):
433AA、MW:50.3kDa、IP:9.08。]
[0209] 1.2 B834(DE3)細胞中でのp51発現:
RT/p66生成菌株と並行して、P51の発現レベルおよび組換えタンパク質の可溶性を評価した。]
[0210] p51の発現レベル:
誘導条件:細胞を37℃で増殖/誘導(+1mMのIPTG)、5時間。]
[0211] ブレークバッファー:50mMのトリス/HCl pH:7.5、1mMのEDTA、+/-1mMのDTT
ウエスタンブロット分析:
試薬:・ウサギポリクローナル抗RT(ウサギPO3L16)(希釈:1/10000)
・アルカリホスファターゼ結合抗ウサギ抗体(希釈:1/7500)
粗製抽出物(T)、不溶性ペレット(P)および上清(S)に対応する細胞画分を10%還元SDS-PAGEで泳動した。
クーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロットで示したように(図4)、P66に関して観察した発現より強い、P51の非常に強い発現(全タンパク質の15〜20%)を観察した。
(37℃で5時間の誘導後)p51タンパク質とp66タンパク質の両方に関して、組換え産物の80%が細胞抽出物の可溶性画分(S1)において回収された(図4参照)。30℃で発現させたとき、組換え産物の99%が可溶性画分に伴っていた(データ示さず)。
p51のウエスタンブロットパターンはマルチバンドであったが、P66に関して観察したものほど複雑ではなかった。]
[0212] 可溶性アッセイ
可溶性アッセイ:還元(DTTを含むブレークバッファー)および非還元条件下で調製した可溶性(S1)画分(5時間誘導、37℃)の凍結/融解。解凍後、S1サンプルは20.000g/30分で遠心分離にかけ、S2およびP2を生成した(p2は1/10volに再懸濁する)。]
[0213] 還元および非還元条件下で調製した可溶性画分(S1)の凍結/融解後、99%のp51およびp66が可溶性(S2)画分中に依然として回収される。わずか1%が沈殿(P2)中に見られる。これは図5中に見られる。]
[0214] 図5は、S1が(30℃で3時間誘導し、-20℃で保存した)可溶性画分である、RT/p51およびRT/p66可溶性アッセイを示す。解凍後、S1サンプルは20.000g/30分で遠心分離にかけ、S2およびP2を生成した(p2は1/10volに再懸濁する)。]
[0215] 実施例3
Nef-p17の構築および発現
二重融合タンパク質を構築した:
Nef-P17]
[0216] 組換えプラスミドの構築:
・pET29a/Nef-p17発現ベクター:
Nef-p17融合遺伝子を、F4組換えプラスミドからPCRによって増幅した。]
[0217] PCR産物は、中間pGEM-Tクローニングベクターに、およびその後pET29a発現ベクターにクローニングした。]
[0218] 組換えタンパク質の特性:
・長さ、分子量、等電点(IP):
Nef-p17(NPと呼ぶ):340AA、MW:38.5kDa、IP:7.48。]
[0219] ・アミノ酸配列およびポリヌクレオチド配列:
Nef-p17ヌクレオチド配列]
[0220] Nef-p17(NP)]
[0221] ボックス:遺伝的構築によって導入されたアミノ酸
Nef配列は太字である。]
[0222] P17-Nefヌクレオチド配列:]
[0223] 実施例4
p24-RT*-Nef-p17(F4*)の構築および発現
F4*は、位置592におけるメチオニンがリシンによって置換された、F4(p24-RT/p66-Nef-p17)融合体の突然変異型である。このメチオニンは、F4精製実験のQセファロース溶出サンプルで実施したN末端配列決定によって支持される、推定内部転写「開始」部位である。実際、Q溶出サンプル中に存在する62kDaでの主要なF4関連小バンドはメチオニン592で始まる。]
[0224] メチオニンはリシンによって置換されている:RMR→RKR。RKRモチーフは分岐群ART配列中に本来存在する。]
[0225] CD4-CD8エピトープに対するこの突然変異の影響を評価した:
・1個のHLA-A3CTLエピトープ(A*3002)は消失したが、9個の他のHLA-A3エピトープはRT配列中に存在する。
・この領域中でヘルパーエピトープは同定されなかった。]
[0226] 組換えタンパク質の特性:]
[0227] ・長さ、分子量、等電点(IP):
1136AA、129kDa、IP:8.07。]
[0228] ・ヌクレオチド配列:]
[0229] p24配列は太字である
Nef配列には下線を引いてある
ボックス:遺伝的構築によって導入されたヌクレオチド。]
[0230] ・アミノ酸配列]
[0231] P24配列:アミノ酸1〜232(太字)
RT配列:アミノ酸235〜795
Nef配列:アミノ酸798〜1002
P17配列:アミノ酸1005〜1136
ボックス:遺伝的構築によって導入されたアミノ酸]
[0232] B834(DE3)細胞中のF4*の発現:
F4非突然変異構築物と並行して、F4*組換え菌株を18時間、22℃で誘導した。粗製抽出物を調製し、クーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロットによって分析した。]
[0233] 図6中に示すように、F4*はF4と比較して若干高い高レベルで発現し(10%全タンパク質)、かつ小さい62kDaのバンドは消失した。]
[0234] 図6は、1がF4であり、2がF4*であり、3がF4(Qセファロース溶出サンプル)2.5μgであり、かつ4がF4(Qセファロース溶出サンプル)250ngである、様々なF4タンパク質に関する還元条件(10% SDS-PAGE還元ゲル;誘導:19時間、22℃)下でのSDS-PAGE分析を示す。]
[0235] ウエスタンブロット分析:
試薬:・プール3Mab抗p24(JC13.1、JC16.1、IG8.1.1)(希釈1/5000)
・ウサギポリクローナル抗RT(ウサギPO3L16)(希釈:1/10000)
・ウサギポリクローナル抗Nef-Tat(ウサギ388)(希釈1/10000)
・アルカリホスファターゼ結合抗ウサギ抗体(希釈:1/7500)
・アルカリホスファターゼ結合抗マウス抗体(希釈:1/7500)
誘導条件:37℃で細胞を増殖/30℃で誘導(+1mMのIPTG)、3時間。]
[0236] ブレークバッファー_F4:50mMのトリス/HCl pH:8.0、50mMのNaCl、1mMのEDTA、+/-1mMのDTT
ウエスタンブロット分析:
試薬・ウサギポリクローナル抗RT(ウサギPO3L16)(希釈:1/10000)
・ウサギポリクローナル抗Nef-Tat(ウサギ388)(希釈1/10000)
・アルカリホスファターゼ結合抗ウサギ抗体(希釈:1/7500)。]
[0237] 実施例5
F4(p51)およびF4(p51)*の構築および発現
(RT/p66の代わりに)RT/p51をF4融合構築物中に使用した。
F4(p51)=p24-p51-Nef-p17
F4(p51)*=p24-p51*-Nef-p17:突然変異F4(p51):推定内部メチオニン開始部位(RT部分中に存在する)をリシンにより置換して、抗原パターンをさらに単純化した。]
[0238] 組換えプラスミドの構築:
F4(p51):p51をコードする配列を、pET29a/p51発現プラスミドからPCRによって増幅した。制限部位をPCRプライマーに取り込んだ(5'末端にNdeIおよびStuI。コード配列の3'末端にAvrII)。PCR産物はpGem-T中間プラスミドにクローニングし、塩基配列を決定した。pGem-T/p51中間体プラスミドをNdeIおよびAvrIIによって制限消化し、p51断片をNdeIおよびNheIによって制限消化したpET28b/p24-RT/p66-Nef-p17発現プラスミドにライゲーションした(RT/p66配列の除去をもたらした)。T4DNAリガーゼの存在下において適切な濃度で、消化反応を組み合せることによってライゲーションを実施した。ライゲーション産物を使用してDH5α大腸菌細胞を形質転換した。(f4融合体中のRT/p66の代わりに)正しい翻訳リーディングフレーム中へのp51の挿入の実証は、DNA塩基配列決定によって確認した。生成する融合構築物p24-RT/p51-Nef-p17はF4(p51)と名付ける。]
[0239] F4(p51)*:(RT/p51中に存在する)推定内部メチオニン開始部位の突然変異は「GeneTailor Site-Directed Mutagenesis system」(Invitrogen)を用いて実施し、F4(p51)*構築物を生成した。]
[0240] F4(p51)およびF4(p51)*発現プラスミドを使用してB834(DE3)細胞を形質転換した。]
[0241] 組換えタンパク質の特性:]
[0242] ・長さ、分子量、等電点(IP):
1005AA、114.5kDa、IP:8.47
・(F4(p51)*に関する)ヌクレオチド配列:]
[0243] P24:配列は太字である
P51:配列は大文字である
Nef:配列は小文字である
P17:配列には下線を引いてある
ボックス:遺伝的構築によって導入されたヌクレオチド。]
[0244] ・(F4(p51)*に関する)アミノ酸配列]
[0245] P24:アミノ酸1〜232
P51:アミノ酸237〜662
Nef:アミノ酸666〜871
P17:アミノ酸874〜1005]
[0246] B834(DE3)細胞中でのF4(p51)の発現:
F4発現菌株と並行して、F4(p51)の発現レベルおよび組換えタンパク質の可溶性を評価した。
誘導条件:37℃で細胞を増殖/22℃で誘導(+1mMのIPTG)、19時間。
ブレークバッファー:50mMのトリス/HCl pH:7.5、1mMのEDTA、1mMのDTT。
ウエスタンブロット分析:
試薬・ウサギポリクローナル抗RT(ウサギPO3L16)(希釈:1/10000)
・ウサギポリクローナル抗Nef-Tat(ウサギ388)(希釈1/10000)
・アルカリホスファターゼ結合抗ウサギ抗体(希釈:1/7500)
粗製抽出物(T)、不溶性ペレット(P)および上清(S)に対応する細胞画分を10%還元SDS-PAGEで分析した。]
[0247] F4と同様に、F4(p51)は高レベル(タンパク質全体の10%)で発現した。ほぼ全てのF4(p51)は、細胞抽出物の可溶性画分(S)中に回収される。抗Nef-tat試薬F4(p51)を用いた検出によって、WBパターンは単純化することが示された(+/-60kDa未満の切断産物の減少)。]
[0248] B834(DE3)細胞中でのF4(p51)*の発現:
F4(p51)非突然変異構築物、F4およびF4*と並行して、18時間22℃でF4(p51)*組換え菌株を誘導した。粗製細胞抽出物を調製し、クーマシー染色ゲルおよびウエスタンブロッティングによって分析した。タンパク質全体の少なくとも10%を表す、F4(p51)およびF4(p51)*融合体の高発現を観察した。WBパターン:+/-60kDa未満の切断産物の減少。さらに、F4(p51)*構築物に関しては、(内部開始部位による)47kDaのバンドが消失していた。]
[0249] 実施例6
F4、F4(p51)*およびF4*の精製-精製法I
4つのHIV抗原p24-RT-Nef-p17を含む融合タンパク質F4は、以下の主要ステップを含む精製法Iに従い大腸菌細胞ホモジネートから精製した:
・F4の硫酸アンモニウム沈殿
・SO3Fractogelカチオン交換クロマトグラフィー(ポジティブモード)
・オクチルセファロース疎水性相互作用クロマトグラフィー(ポジティブモード)
・QセファロースFFアニオン交換クロマトグラフィー(ポジティブモード)
・SDSの存在下でのSuperdex200ゲル濾過クロマトグラフィー
・透析および濃縮。]
[0250] 追加的に、F4(p51)*融合タンパク質(追加的突然変異Met592Lysを有するコドン最適化p51によって置換されたRT)およびF4*タンパク質(追加的Met592Lys突然変異を有するF4)を、同じ精製法Iを使用して精製した。]
[0251] タンパク質定量化
・全てのタンパク質はLowryアッセイを使用して測定した。タンパク質濃度を測定する前に、全てのサンプルをPBS、0.1%SDSで一晩透析して、干渉物質(尿素、DTT)を除去する。BSA(Pierce)は標準として使用した。]
[0252] SDS-PAGEおよびウエスタンブロット
・サンプルは還元または非還元SDS-PAGEサンプルバッファー(+/- β-メルカプトエタノール)中で調製し、95℃で5分間加熱した。
・タンパク質は、プレキャストNovexトリス-グリシンゲルまたはCriterionゲル(Bio-Rad)、1mm厚を使用して75分間200Vで4〜20%のSDS-ポリアクリルアミドゲル上で分離した。
・クーマシーブルーR250を使用してタンパク質を可視化した。
・ウエスタンブロット(WB)用に、100Vにおいて1.5時間または30Vにおいて一晩4℃で、タンパク質をSDSゲルからニトロセルロース膜(Bio-Rad)にトランスファーした。
・F4は異なる抗原に対するモノクローナル抗体である、抗p24、抗Nef-Tat、抗RTを使用して検出した(一部では抗p24と抗Nef-Tatの混合物を使用して最大数のタンパク質バンドを検出した)。
・アルカリホスファターゼ結合抗マウスまたは抗ウサギ抗体は一次抗体と結合させ、タンパク質バンドは基質としてBCIPおよびNBTを使用して可視化した。]
[0253] 抗大腸菌ウエスタンブロット
・5μgのタンパク質(Lowry)をSDS-PAGEによって分離し、前述のようにニトロセルロース膜にトランスファーした。]
[0254] ・残留宿主細胞タンパク質は、ポリクローナル抗大腸菌抗体を使用して検出した。タンパク質バンドは、前述のようにアルカリホスファターゼ反応を用いて可視化した。]
[0255] 精製法I
方法Iは、硫酸アンモニウム沈殿および4つのクロマトグラフィーステップを含む:
・大腸菌細胞を、OD50で10mMのDTT、1mMのPMSF、1mMのEDTAの存在下において、pH8.0で50mMのトリスバッファー中にホモジナイズした(約360ml)。2回のRannie通過を1000バールで行なった。
・細胞残渣および不溶性物質は、20分間14400×gでの遠心分離によって除去した。
・硫酸アンモニウム(AS)を、1.2Mの最終濃度まで、3.8Mストック溶液から浄化上清に加えた。タンパク質は室温(RT)で約2時間沈殿させ、次いで遠心分離(14400×gで10分間)によってペレット状にした。ペレットは8Mの尿素、10mMのDTT中、10mMのリン酸バッファー、pH7.0中に再懸濁した。
・リン酸バッファー、pH7.0中の8M尿素および10mMのDTTの存在下で、SO3Fractogelカラム(Merck)において抗原を捕捉した。カラムを洗浄して非結合タンパク質を溶出させ、次に170mMのNaClを用いた前溶出ステップを続けて結合した宿主細胞タンパク質(HCP)を除去した。次いでF4を、リン酸バッファー、pH7.0中で、460mMのNaCl、8Mの尿素、10mMのDTTを用いて溶出した。
・SO3溶出液は10mMのリン酸バッファー、pH7.0で2倍に希釈し、リン酸バッファー、pH7.0中で4Mの尿素、1mMのDTT、230mMのNaClの存在下においてオクチルセファロースカラム(Amersham Biosciences)にロードした。洗浄ステップ(平衡化バッファー)後、結合したF4は、25mMのトリスバッファー、pH8.0中で、8Mの尿素、1mMのDTTを用いて溶出した。
・オクチル溶出液を希釈しpH9.0に調節し、次いでF4を、pH9.0(25mMのトリス)で8Mの尿素の存在下においてQセファロースカラム(Amersham Bioscience)に結合させた。非結合タンパク質は洗浄除去し(8Mの尿素、25mMのトリス、pH9.0)、前溶出ステップ(90mMのNaCl、8Mの尿素、25mMのトリス、pH9.0中)によってHCPおよびF4分解産物を除去した。トリスバッファー、pH9.0中で200mMのNaCl、8Mの尿素を用いてカラムからF4を脱離させた。
・Q溶出液のアリコートを1%SDSでスパイクし、0.1%SDSおよび1mMのDTTを含有するPBSバッファーで透析して尿素を除去した後、ゲル濾過カラム(調製グレードSuperdex 200、直列に結合した2つの16×60cmカラム)にサンプルを注入した。工程内のSDS-PAGE分析後に対応する画分をプールした。
・透析膜(12〜14kDaのカットオフ)中で一晩、110.5Mアルギニン、10mMトリス、5mMグルタチオン、pH8.5に対して室温において2回サンプルを透析した。]
[0256] 一連の精製ステップを以下のフローチャート中に示す:
精製フローシート360mlホモジネートOD50(Rannie)
50mMのトリスpH8.0、1mMのPMSF、10mMのDTT、2mMのEDTA

浄化
14400×gで20分間の遠心分離

硫酸アンモニウム沈殿
1.2MのAS、2時間室温で、遠心分離14400×g、10分間

8Mの尿素、10mMのPO4、10mMのDTT、pH7.0中にペレットを再懸濁

(+)SO3FractogelEMD650(M)クロマトグラフィー
pH7.0、8Mの尿素、10mMのDTT、170mMのNaClでの前溶出、460mMのNaClでの溶出

pH7.0、4Mの尿素、5mMのDTT、230mMのNaClに2倍希釈

(+)オクチルセファロースクロマトグラフィー
pH7.0、4Mの尿素、230mMのNaCl、溶出 8Mの尿素、20mMのトリスpH8.0

約2倍希釈、pH9.0に調節(NaOH)

(+)QセファロースFFクロマトグラフィー
トリスpH9.0、8Mの尿素、前溶出90mMのNaCl、溶出200mMのNaCl

1%SDSの添加

透析→TBS、0.1%のSDS、pH8.5

Superdex200ゲル濾過クロマトグラフィー16×120cm
2.TBS、0.1%のSDS、pH8.5

IPA SDS-PAGE

プール/濃縮/透析
→製剤適合バッファー
IPA-工程内の分析
他に特定しない場合、全てのバッファーは1mMのDTTを含有する。]
[0257] 実施例7
F4およびF4co(コドン最適化)の精製-精製法II
精製法II
方法Iと比較して単純化した精製手順、方法IIも開発した。方法IIは、わずか2回のクロマトグラフィーステップおよび最終透析/バッファー交換のダイアフィルトレーションからなる。特に、CM hyperZクロマトグラフィーカラム(BioSepra)を導入して、方法Iの浄化ステップ、硫酸アンモニウム沈殿およびSO3クロマトグラフィー(実施例6参照)を置き換えた。方法IIを使用してF4と完全長コドン最適化F4(「F4co」)の両方を精製した。F4coに関して、1つはカルボキシアミド化を含み1つは含まない、2つの異なる形の方法IIを実施した。カルボキシアミド化ステップの目的は、タンパク質の酸化凝集を妨げることであった。このカルボキシアミド化は、1回目のクロマトグラフィーステップ(CM hyperZ)後に実施する。]
[0258] ・(F4またはF4coを発現する)大腸菌細胞を、OD90で10mMのDTTの存在下において、pH8.0で50mMのトリスバッファー中にホモジナイズした。2回のRannie通過は1000バールで行なった。
・8Mの尿素をホモジネートに加え、続いてpH7.0でリン酸バッファーにおいて8Mの尿素で平衡化したCM hyperZ樹脂(BioSepra)にアプライした。抗原捕捉はバッチ形式で行った。次いで樹脂をカラムに充填し、非結合タンパク質は平衡化バッファーを用いて洗浄除去し、結合した宿主細胞タンパク質(HCP)は120mMのNaClを用いた前溶出ステップによって除去した。次いでリン酸バッファー、pH7.0中で、360mMのNaCl、8Mの尿素、10mMのDTTを用いてF4coを溶出した。
・融合タンパク質の酸化凝集を制御するために、F4coのシステイン基をヨードアセトアミドでカルボキシアミド化することができる。したがって、場合によっては、50mMのヨードアセトアミドをCM hyperZ溶出液に加え、カルボキシアミド化を暗所において室温で30分間行なった。
・次いでCM hyperZ溶出液を適切に希釈し(約5〜8倍)、pH9.0に調節した。次いでF4coまたはF4coca(コドン最適化カルボキシアミド化)を、pH9.0においてトリスバッファー中の8Mの尿素の存在下においてQセファロースカラム(Amersham Bioscience)に結合させた。非結合タンパク質は平衡化バッファーを用いて洗浄除去し、同じバッファー中での90mMのNaClを用いた(非カルボキシアミド化タンパク質のみを用いた)前溶出ステップによって結合したHCPを除去した。トリスバッファー、pH9.0中で200mMのNaCl、8Mの尿素を用いてカラムからF4coを脱離させた。
・透析膜(12〜14kDaのカットオフ)中で一晩、110.5Mのアルギニン、10mMのトリスバッファー、10mMのグルタチオン(非カルボキシアミド化タンパク質のみに加えた)、pH8.5に対して室温において2回サンプルを透析した。あるいは、30または50kDaのカットオフで接線流動膜を使用して、同じバッファーの10サンプル体積に対するダイアフィルトレーションによって、バッファー交換を実施した。
・最後に、透析産物を0.22μmの膜を介して滅菌濾過した。]
[0259] 一連の精製ステップを以下のフローチャート中に示す:
精製フローシートホモジネートOD90(Rannie)
50mMのトリスpH8.0、10mMのDTT

8Mの尿素の添加、pH7.0に調節

(+)CM hyperZクロマトグラフィー
pH7.0、8Mの尿素、10mMのDTT、120mMのNaClでの前溶出、360mMのNaClでの溶出

任意選択のカルボキシアミド化:50mMのヨードアセトアミドの添加、室温で30分間

希釈、pH9.0に調節、8Mの尿素

(+)QセファロースFFクロマトグラフィー
トリスpH9.0、8Mの尿素、前溶出、NaClで溶出*

透析/ダイアフィルトレーション
→リン酸バッファー、0.5Mアルギニン、pH8.5(10mMのグルタチオン)

滅菌濾過
全てのバッファーは、F4coをカルボキシアミド化しなかった場合DTT、および精製バルク中にグルタチオンを含有していた。タンパク質をカルボキシアミド化した場合、還元剤を省略した。]
[0260] *NaCl: F4coに関してこれは200mMのNaClであり、F4cocaの溶出はNaClの勾配によるものであった。このステップは、F4cocaに関しては、60mMのNaClでの前溶出および100mMのNaClでの溶出によって、およびF4coに関しては(前溶出ステップを必要とせず)100mMのNaClでの溶出によって、さらに最適化することができる。]
[0261] 結果:F4coの精製
図7は、F4coの精製およびカルボキシアミド化F4co(「F4coca」)の精製中に回収したF4含有画分のSDSゲルを示す。]
[0262] CM hyperZ樹脂は8M尿素の存在下で粗製ホモジネート(レーン1)からF4coを完全に捕捉し、定量的溶出は360mMのNaClを用いて実施した。レーン2中に示すCM hyperZ溶出液はF4coが相当豊富であった。適切な希釈およびpH9へのサンプルの調節の後、F4coまたはF4cocaをQセファロースカラムに結合させた。次いでF4coまたはF4cocaを、レーン3中に示すように200mMのNaClを用いて特異的に溶出した。このクロマトグラフィーは残存する宿主細胞タンパク質だけでなく、DNAおよびエンドトキシンも除去した。精製物質を製剤適合バッファーに移すため、Qセファロース溶出液を、12〜14kDaのカットオフを有する透析膜中で、10mMのトリスバッファー、0.5Mのアルギニン、10mMのグルタチオンpH8.5に対して透析した。グルタチオンはカルボキシアミド化タンパク質では省略した。]
[0263] F4coとF4coca両方の精製は、培養物OD130の1L当たり約500mgの精製物質をもたらした。これは非コドン最適化F4に関して前に観察したのと同様の範囲内にあった。]
[0264] 前に記載したように、2つの異なる精製法(IおよびII)を開発して異なるF4構築物を精製した。図8は、得られた異なる精製バルクを比較する。]
[0265] F4は幾つかの強い低分子量(LMW)バンドを示し、ごくわずかなバンドがコドン最適化F4coと共に目視可能であった。方法Iおよび方法IIは非常に類似したF4coパターンをもたらす。抗大腸菌のウエスタンブロット分析によって精製タンパク質の純度を確認し、全調製物中1%未満の宿主細胞のタンパク質混入が示された。]
[0266] 実施例8
酸化を回避することができた2つの抗酸化剤のメカニズムを試験した:
キレート剤:
キレート剤は幾つかの製剤において、製剤中に存在するイオンをキレート化することができ、酸化反応を触媒することができる。これを本発明中で使用するタンパク質を含有する製剤に関して試験した。]
[0267] -SH含有化合物:
これらの抗酸化剤の-SH官能基はF4coの-SH官能基との反応後にタンパク質を安定状態にすることができ、またはタンパク質の-SH官能基の代わりに酸化され得る。4つのキレート剤、すなわちクエン酸三ナトリウム塩、リンゴ酸ナトリウム塩、デキストロース、L-メチオニンを試験し、かつ4つの抗酸化剤、すなわちグルタチオン、システイン、N-アセチルシステイン、およびモノチオグリセロールを試験した。]
[0268] 選択した薬剤の有効性を、F4coの分子間および/または分子内酸化を回避するそれらの能力に従って評価した。試験した抗酸化剤に関して得た結果を、分子内酸化のみが回避される亜硫酸ナトリウム(還元剤)+EDTA(キレート剤)で得た結果と比較した。]
[0269] 図9は、非還元条件下で、非還元条件のSDS-PAGEによるキレート剤クエン酸、L-メチオニン、リンゴ酸およびデキストロースのスクリーニング分析を示し、ここで:
1クエン酸三ナトリウム塩 0.5%w/v
2 クエン酸三ナトリウム塩 1.0%w/v
3 クエン酸三ナトリウム塩 1.5%w/v
4 クエン酸三ナトリウム塩 2.0%w/v
5 L-メチオニン 0.001%w/v
6 L-メチオニン 0.01%w/v
7 L-メチオニン 0.1%w/v
8 L-メチオニン 0.5%w/v
9リンゴ酸ナトリウム塩 0.001%w/v
10 リンゴ酸ナトリウム塩 0.01%w/v
11 リンゴ酸ナトリウム塩 0.1%w/v
12 リンゴ酸ナトリウム塩 0.5%w/v
13 デキストロース 0.001%w/v
14 デキストロース 0.01%w/v
15 デキストロース 0.1% w/v
16 デキストロース 1.0%w/v。]
[0270] 抗酸化剤のスクリーニングは2ステップで実施した。最初に、8種類の薬剤に最終バルク30μg用量でのプレスクリーニングを施した。次いで、その結果に従って、有効な抗酸化剤に最終バルクおよび最終容器90μg用量でのスクリーニングを行なった。]
[0271] a.30μg用量でのプレスクリーニング(最終バルク)
30μg用量でのプレスクリーニング試験は、4℃で1日保存した最終バルクにおいて非還元条件のSDS-PAGE上で分析した。]
[0272] b.90μg用量でのスクリーニング
スクリーニングした潜在的抗酸化剤を90μgの製剤においてさらに分析して、最終バルクの保存、充填、凍結乾燥および再調製を含めた、異なる製剤ステップによって有効性を分析した。]
[0273] 抗原の可溶性
・目視による観察
太陽光に直面したキュベット中で製剤(500μl)を観察した。製剤は「クリア」(透明溶液)または「不透明」として記載した。]
[0274] ・遠心分離(14300g, 15分)、次に還元条件でのSDS-PAGE
システイン、N-アセチルシステインまたはモノチオグリセロールまたはグルタチオンのF4co可溶性に関して悪影響は観察されなかった。]
[0275] 抗原の酸化
非還元条件でのSDS-PAGE
製剤化タンパク質を、精製バルク、陰性対照(EDTAおよび亜硫酸ナトリウムで製剤化したF4co)および陽性対照(亜硫酸ナトリウムおよびEDTAの添加なしで製剤化したF4co)と比較した。]
[0276] 安定性および促進安定性試験
最終バルク:
4℃での保存後のT1(第1日)、T8(第8日)および、T15(第15日)における非還元条件でのSDS-PAGE。
再調製した最終容器:
凍結乾燥後(T0)または37℃で7日間の保存後*またはAOT下**における、水中でのケーキの再調製後の非還元条件でのSDS-PAGE
25℃でリポソームアジュバンド中での再調製後24時間での非還元条件でのSDS-PAGE
25℃で保存した4時間後にリポソームアジュバンド中で再調製した最終容器における還元条件でのSDS-PAGE
*7日間37℃
凍結乾燥ケーキを7日間37℃の温度に供して、安定性を促進した。その後、非還元条件でSDS-PAGEにより分析するために、ケーキを注射用水中で再調製した。
**酸化促進性試験(AOT)
凍結乾燥ケーキを15時間765w/m2の光に供して、生成物を露光させた。その後、非還元条件でSDS-PAGEにより分析するために、ケーキを注射用水中で再調製した。]
[0277] (a)製剤化のフローシート
様々な製剤を以下のフローシートに従って調製したが、ただし亜硫酸ナトリウムは対応する抗酸化剤に置き換えた:
H2O
+
サッカロース30%(品目124959)
+
NaH2PO4.2H2O/K2HPO4 100mM pH6.8(品目121518および継続中)
+
NaH2PO4.2H2O 10mM/アルギニン0.8M pH6.8(品目121518および127636)
+
Tween80 3%w/v(品目129042)
+
EDTA二ナトリウム10mM pH6.8、10倍希釈時(品目416234)]
[0278] チェックおよび/またはpH7.5+/-0.1で調節
+4℃において攪拌せずに保存
充填+凍結乾燥。]
[0279] 結果
-SH含有化合物のスクリーニング
-SH官能基を含有する製剤、グルタチオン、モノチオグリセロール、システインおよびN-アセチルシステインを分析した。]
[0280] ・30μg用量でのプレスクリーニング(最終バルク)
-SH含有化合物は4℃における1日後の最終バルクステップで有望な結果を示した。分子内または分子間酸化のいずれも試験した最高濃度(0.625%)で観察されなかった。]
[0281] ・90μg用量でのスクリーニング
最終バルクの安定性
グルタチオンまたはモノチオグリセロールを含有する90μg用量の製剤の非還元条件におけるSDS-PAGEは図10中に表し、システインまたはN-アセチルシステインを有する製剤は図11中に表す。]
[0282] 図10は、グルタチオンおよびモノチオグリセロールを含有する製剤の、T15日4℃での最終バルクの安定性の非還元条件下におけるSDS-PAGEを示す。図10のSDS-PAGEの凡例:
1 PB
2CTRL+
3 CTRL-
4 GSH 0.00625%
5 GSH 0.0625%
6 GSH 0.625%
7MTG 0.00625%
8 MTG 0.0625%
9 MTG 0.625%
10 そのバッファー中のPB。]
[0283] 図11は、システインおよびアセチルシステインを含有する製剤の、T15日4℃での最終バルクの安定性の非還元条件下におけるSDS-PAGEを示す。図11のSDS-PAGEの凡例:
1 PB
2CTRL+
3 CTRL-
4 Cyst 0.00625%
5 Cyst 0.0625%
6 Cyst 0.625%
7 Acyst 0.00625%
8 Acyst 0.0625%
9 Acyst 0.625%
10 そのバッファー中のPB。]
[0284] 4℃で15日の最終バルク保存中の、グルタチオン、モノチオグリセロール、システインおよびN-アセチルシステインの有効性を実証する。]
[0285] グルタチオン0.625%、モノチオグリセロール0.625%、システイン0.625%およびアセチルシステイン0.625%は、4℃での最終バルクの安定性に関して亜硫酸ナトリウムと少なくとも同程度有効である。]
[0286] 要約すると、0.5%w/vの濃度でシステイン、N-アセチルシステインまたはモノチオグリセロールを含むF4製剤は、4℃で1、8または15日間保存した場合、分子間または分子内酸化のいかなる兆候も示さなかった。]
[0287] 0.5%w/vでグルタチオンを含むF4製剤は、4℃で1、8または15日間保存した場合、分子間または分子内酸化のいかなる兆候も示さなかった。]
[0288] 0.13%w/vで亜硫酸ナトリウムを使用した対応する製剤は、4℃で1、8または15日間保存した場合、ある程度の分子間酸化を示した。]
[0289] 試験した全ての4つのキレート剤の製剤は、4℃で24時間保存した場合、分子間および分子内酸化を示した。]
[0290] 最終容器の安定性および促進安定性
ケーキは注射用水中での再調製後にT0(時間ゼロ)で非還元条件下におけるSDS-PAGEによって分析し、促進安定性に供したケーキ(7日間37℃および/またはAOT[酸化促進性試験])と比較した。]
[0291] 7日間37℃で保存したケーキは、N-アセチルシステインまたはモノチオグリセロールを0.5%w/vで使用した場合、分子間または分子内酸化のいかなる兆候も示さなかった。システインまたはグルタチオンを0.5%w/vで使用した場合、または亜硫酸ナトリウムを0.13%w/vで使用した場合、ある程度の分子間酸化が観察された。]
[0292] 図12は、グルタチオンおよびモノチオグリセロールを含有する再調製した凍結乾燥抗原(ケーキ)の、非還元条件下におけるSDS-PAGEを示し、ここで:
1CTRL+
2 CTRL-
3 GSH 0.625%
4MTG 0.00625%
5 MTG 0.0625%
6 MTG 0.625%。]
[0293] 促進性試験に供したケーキ
-SH官能基を含有する4種類の化合物は、ケーキを促進安定性(7日間37℃、AOT、または両方の組合せ)に供した後でさえ、亜硫酸ナトリウムと少なくとも同程度有効である。試験した最高濃度(0.5%)のモノチオグリセロール、システインおよびN-アセチルシステインは、F4co酸化を回避するのに10mMの亜硫酸ナトリウムより有効である。]
[0294] これらのデータ結果から、有効性に関する結論を引き出すことができた:
・グルタチオン0.5%は10mMの亜硫酸ナトリウムと同等の安定性をもたらした。
・一方、モノチオグリセロール0.5%、システイン0.5%、アセチルシステイン0.5%は、10mMの亜硫酸ナトリウムより優れた安定性をもたらした。]
[0295] F4coの可溶性
F4coの可溶性に対する選択した賦形剤の影響を、AS01B中でのケーキの再調製後4時間で調べた。図13は、システインおよびN-アセチルシステインに関して得た結果を示し、ここで:
1CTRL+
2 CTRL-
3 Cyst 0.625%
4 Acyst 0.00625%
5 Acyst 0.0625%
6 Acyst 0.625%。]
[0296] 図14:(遠心分離前後の)25℃で4時間後の、MPLおよびQS21を含有するリポソームアジュバンド中の、システインおよびアセチルシステインを含有する再調製ケーキの還元条件下におけるSDS-PAGE、ここで:
1CTRL+
2 CTRL-
3 Cyst 0.5%
4 Acyst 0.5%
およびここで:
NC遠心分離せず
SN上清
Pペレット。]
[0297] 要約すると、0.5%w/vの濃度でシステイン、N-アセチルシステインまたはモノチオグリセロールを含むF4製剤は、25℃で24時間、MPLおよびQS21を含むリポソームアジュバンドと共に保存した場合、分子間または分子内酸化のいかなる兆候も示さなかった。0.5%w/vでグルタチオンを含むF4製剤は、25℃で24時間、MPLおよびQS21を含むリポソームアジュバンドと共に保存した場合、ある程度の分子間酸化を示した。0.13%w/vで亜硫酸ナトリウムを使用した対応する製剤は、同等条件下で保存した場合、ある程度の分子間酸化を示した。]
実施例

[0298] 少量の抗酸化剤を含む製剤は様々な程度の酸化を示した。]
权利要求:

請求項1
以下のもの:(a) Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはそれらの免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片がある、融合タンパク質と、(b)例えば、グルタチオン、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインもしくはそれらの混合物を含むかまたはそれらからなる群より選択される、チオール官能基を含む抗酸化剤である安定化剤とを含む、HIVワクチンのための成分または液体バルク。
請求項2
安定化剤がグルタチオンである、請求項1に記載の成分または液体バルク。
請求項3
安定化剤がモノチオグリセロールである、請求項1に記載の成分または液体バルク。
請求項4
安定化剤がシステインである、請求項1に記載の成分または液体バルク。
請求項5
安定化剤がN-アセチルシステインである、請求項1に記載の成分。
請求項6
安定化剤が、最終製剤中で約0.5%w/vの濃度をもたらす濃度で存在する、請求項1〜5のいずれか1項に記載の成分または液体バルク。
請求項7
サッカロース、デキストロース、マンニトールまたはフルクトースをさらに含む、請求項1〜6のいずれか1項に記載の成分またはバルク。
請求項8
サッカロース、デキストロース、マンニトールまたはフルクトースが、最終製剤の1〜10重量%として存在する、請求項7に記載の成分またはバルク。
請求項9
アルギニンをさらに含む、請求項1〜8のいずれか1項に記載の成分またはバルク。
請求項10
アルギニンが200〜400mMの濃度で存在する、請求項9に記載の成分または液体バルク。
請求項11
キレート剤をさらに含む、請求項1〜10のいずれか1項に記載の成分または液体バルク。
請求項12
キレート剤が、クエン酸三ナトリウム塩、リンゴ酸ナトリウム塩、デキストロース、L-メチオニンまたはEDTA二ナトリウムより選択される、請求項11に記載の成分または液体バルク。
請求項13
キレート剤がEDTAである、請求項12に記載の成分または液体バルク。
請求項14
キレート剤が用量当たり0.5〜2mMの濃度で存在する、請求項12もしくは13に記載の成分またはバルク。
請求項15
キレート剤が最終用量中で1〜1.25mMをもたらす濃度で存在する、請求項14に記載の成分または液体バルク。
請求項16
非イオン性界面活性剤をさらに含む、請求項1〜15のいずれか1項に記載の成分またはバルク。
請求項17
非イオン性界面活性剤がTween 80である、請求項16に記載の成分またはバルク。
請求項18
非イオン性界面活性剤が、最終用量中で0.005〜約0.05%w/vまでの濃度で存在する、請求項16もしくは17に記載の成分またはバルク。
請求項19
バッファーをさらに含む、請求項1〜18のいずれか1項に記載の成分またはバルク。
請求項20
バッファーがリン酸ナトリウムなどのリン酸(PO4)バッファーである、請求項19に記載の成分またはバルク。
請求項21
バッファーが、最終用量中で1〜50mMの濃度をもたらすように存在する、請求項19もしくは20に記載の成分またはバルク。
請求項22
防腐剤をさらに含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の成分またはバルク。
請求項23
防腐剤がチオマーサルである、請求項22に記載の成分またはバルク。
請求項24
以下のもの:(a) Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはそれらの免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、その間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片がある、融合タンパク質と、(b)例えば、グルタチオン、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインまたはそれらの混合物からなる群より選択される、チオール官能基を含む抗酸化剤である安定化剤と、(c) 1%w/v以下の非イオン性界面活性剤と、(d) 200〜450mMのアルギニンと、(e) 0.5〜2.0mMのキレート剤と、(f) 1〜50mMのバッファーとを含む、HIVワクチンのためのバルクまたは成分。
請求項25
請求項1〜24のいずれか1項に規定される、凍結乾燥された成分または液体バルク。
請求項26
請求項1〜24のいずれか1項に規定される成分を含む医薬組成物またはワクチン。
請求項27
アジュバントをさらに含む、請求項26に記載の医薬組成物または請求項25に記載の凍結乾燥抗原を含むワクチン。
請求項28
アジュバントがTLR4アゴニストを含む、請求項27に記載の医薬組成物またはワクチン。
請求項29
TLR4アゴニストがMPLである、請求項28に記載の医薬組成物またはワクチン。
請求項30
アジュバントがサポニンをさらに含む、請求項27〜29のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン。
請求項31
サポニンがQS21である、請求項30に記載の医薬組成物またはワクチン。
請求項32
アジュバントがリポソーム製剤として提供される、請求項27〜31のいずれか1項に記載の医薬組成物またはワクチン。
請求項33
HIVもしくはAIDSの治療および/または予防のための、請求項1〜24のいずれか1項に規定される成分もしくはバルクまたは請求項26〜31のいずれか1項に規定される医薬組成物もしくはワクチン。
請求項34
HIVもしくはAIDSの治療または予防のための医薬の製造のための、請求項1〜24のいずれか1項に規定される成分もしくは最終バルクまたは請求項26〜31のいずれか1項に規定される医薬組成物の使用。
請求項35
請求項26〜32のいずれか1項に規定される治療上有効量の医薬組成物またはワクチンを投与するステップを含む、HIVもしくはAIDSの治療または予防のための処置方法。
請求項36
Nefまたはその免疫原性断片もしくは誘導体、ならびにp17 Gagおよび/またはp24 Gagまたはその免疫原性断片もしくは誘導体を含む免疫原性融合タンパク質の製剤であって、p17 Gagおよびp24 Gagの両者が存在する場合、それらの間に少なくとも1つのHIV抗原または免疫原性断片がある、融合タンパク質の製剤の安定化のための、少なくとも1つのチオール官能基を有する抗酸化剤の使用。
請求項37
抗酸化剤が、モノチオグリセロール、システイン、N-アセチルシステインおよびグルタチオンからなる群より選択される、請求項36に記載の使用。
請求項38
前記タンパク質がF4である、請求項36または37に記載の使用。
請求項39
請求項25に規定される凍結乾燥成分と、アジュバントの別個の容器とを含むキット。
請求項40
請求項25に規定される凍結乾燥成分の再調製方法であって、該成分に液体アジュバントを添加するステップを含む、上記方法。
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